リモートで働ける環境を作ること:ヌーラボ橋本氏が目指すネット時代の働き方の提案【前編】

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地方で起業するために必要な考えはなにか。東京ではなく、あえて地方に拠点や本社を構えている理由とは。そこにある考え方について、ヌーラボ橋本正徳氏にインタビューを行った。

ネットの可能性を信じてみたいという気持ちから起業

2014年4月で設立から10年になるヌーラボ。2月には、自社として初のカンファレンス「NUCON」を開催。BacklogCacooの現状や今後の展望、新サービスのチャットサービス「Typetalk」の発表、ヌーラボの各種サービスを統一して管理できる「ヌーラボアカウント」の発表を行った。

「ヌーラボの主力サービスはプロジェクト管理ツールのBacklogで、現在約20万ユーザ、約10万プロジェクトに利用されており、ヌーラボの主な収益源として事業の柱を担っている。自社として大きく注目されるようになったのはCacooのおかげ」

2009年にベータ版をリリースしたCacooは、現在約110万アカウント、400万以上のシートが作成されているサービスだ。サービスのシェアは、日本が14%、海外が86%(内訳として米国が13%、台湾が7%、コロンビアが5%と続いている)と、海外の利用が多いサービスとなっている。

10年という中で、本社を福岡から東京へ移転するという考えはあったのかを伺うと「移転の考えはなかった」と、橋本氏は語る。橋本氏が起業する2004年当時は、セカンドライフが注目されていた頃でもあった。インターネットという世界をつなぐ世界観をフィールドに、世界中のどこでも自由に働ける環境を作りたいという考えがそこにはあった。

「インターネットの誕生で、いつでもどこでも仕事ができる環境になった。もちろん、対面で仕事することの良さもあるが、ネットの可能性を信じてみたいという気持ちが起業当時からあった。ヌーラボのサービスも、リモートでも快適に仕事ができる環境を提供したいという思いから、エンタープライズ向けのサービスを扱ってきた。その中で生まれたのがBacklogやCacooだった」

リモートワークのすすめ

福岡、東京、京都、インドネシア、シンガポール、台湾それぞれの支社には、5人程度のスタッフが常駐しながら、仕事をしているという。リモートワークができるとはいえ、社員全員がオフィスを持たない働き方では、かえって効率も悪くなると橋本氏は語る。そのため、支社毎にチームを作り仕事に取り組んでいる。

「一人だけで働くと、寂しさも感じる。これまでの経験から、5人くらいがちょうど良く、支社はだいたい5人から10人未満で収まるようにしている。社員が働きたいところで自由に働ける環境を作り、みんなが分散して仕事をしてても、互いに効率的にパフォーマンスできるために日々意識しながら事業を展開している」

完全リモートではなく、リモート半分、対面半分くらいがちょうど良いと橋本氏は語る。年に一回の全社合宿では、福岡で全社員が集まり、ビジョンの共有を図ったり社員同士の交流や今後について議論したりする場を設けている。

社員採用に関しても、役員も積極的に参加している。現地マネージャーと一緒に、足りない人材と社員らとのコミュニケーションのすれ違いが生まれないように、ビジョンや会社の方向性なども共有しながら採用を行っている。

「社員が好きなところで好きなように働けるために、できるだけ現地採用を行っている。週に一回の役員会議と、毎朝のプロダクトの進捗確認。これで社員やプロジェクトの動きも管理できる。あとは、社員が自発的に考え、行動してくれるための環境を整えることが大切。リモートだからこそ、相手をいかに信頼できるかが重要」

今後は、海外ブランチを積極的に増やす予定で、全国に支社を作り、好きな場所で働ける環境を作っていきたいと橋本氏は語る。

後編に続く。

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