RAPIROの石渡氏が語るクラウドファンディングを活用したプロダクトの作り方 #fabcross

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新しいものづくりに挑戦しているエンジニア、またこれから挑戦しようというエンジニアたちを応援することを目的としたウェブサイト「fabcross」。昨年10月にスタートしたこのサイトが、今回トークイベント「fabcross Meeting vol.01 〜ブームで終わらせない『次世代ものづくり』のあり方」を開催した。

最初のセッションは「CES 2014からみるものづくりのこれからと機楽の挑戦」というテーマで、ロボット工学キット「RAPIRO」を手がけた機楽のCEO 石渡昌太氏がトークを実施した。

RAPIROといえば、米クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金調達に成功したことでご存知の読者もいるだろう。RAPIROのほかには、どきどきすると揺れるしっぽのプロダクト「Tailly」や、脳波で動く猫耳「necomimi」などを手がけている。

クラウドファンディングに合わせたプロダクト



RAPIROをKickstarterに掲載した際、最初からロボットありきで考えていたわけではない、と石渡氏は語る。Taillyなどはアメリカの10代の女子に人気だったそうだが、彼女らはクレジットカードを所持していないため、クラウドファンディングで支援することはできない。

そこで石渡氏はクレジットカードを持っている年齢層に刺さりそうなプロジェクトとしてロボットを選び、RAPIROを出すことにした。Kickstarterに掲載する前には、3D造形をJMCに、射出成形をMIYOSHIに、基板製造をSWITCHSCIENCEに依頼することが決めていたという。RAPIROは、製造における役割分担をしっかり決めてからプロダクトを立ち上げた。

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プロジェクトページの英文は自ら英語で書いた後、ネイティブの人間に査読をしてもらった。プロジェクト掲載後、取材のメールや質問のメールなどにはすべて自らが返答していったという。

無事、Kickstarterでのプロジェクトが成功した後、RAPIROは国内でもクラウドファンディングで資金調達を実施している。国内での資金調達には「MAKUAKE」を利用した。MAKUAKEではプロダクトのプレセールスと、海外でのプロモーション費用を集めることを目的としていたそうだ。最終的に560万円ほどの資金を集めることに成功している。

CES 2014にも出展

RAPIROは本誌でもなんどか紹介したアメリカの展示会「CES 2014」にも出展している。CESに出展した理由は、CEREVOの岩佐氏から薦められたからだという。出展を決め、JETRO経由で申し込みを行った。絶対に出展したほうがいい、とは言わないが、出展したことにあり、引き合いは多かったと石渡氏はコメントしている。

現在、RAPIROは売り始めたタイミング。在庫を適切に管理するために、製造とプロモーションのバランスを考える必要が出てきているという。また、現在はロボット好きな人などが購入しているが、ジャケ買いやあまり詳しくない人が購入するくらいRAPIROが広まったときに、不良品の扱いなどをどうしていくのかなど、新たな課題に対して取り組み始めている。

最後に石渡氏はクラウドファンディングを活用したモノづくりについて、

「クラウドファンディングはやり方次第でお金を集めることは可能だと思います。お金を集めた後、どうやってそれを作るのか。それを準備した上でクラウドファンディングを始めることが重要なのではないでしょうか。」

とコメントした。

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