Tencent(騰訊)が明らかにしたモバイルオープン戦略——デベロッパのインキュベーションにも着手

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中国のインターネット企業大手 Tencent(騰訊)は先頃、モバイルアプリ向けのオープン戦略を発表した。自社のモバイルアプリの販売チャネルやインフラを開放するだけでなく、人気デベロッパたちの目を引こうと、作業スペースからIPOコンサルティングまで幅広く提供していく予定だ。

2011年以前のTencentの方針は、サードパーティーのゲームをライセンス取得し、社内でインターネットサービスを開発するものだった。収益の半分以上がライセンス取得済みゲームや社内開発のゲームからのもので、他の主要な収益源はTencentかパートナーによって作られた様々なバーチャルアイテムやプレミアムサービスを定期購入するメンバーシップ料金であった。この料金は当然ながらパートナーやサードパーティー・デベロッパに支払われている。

今回の方針は2011年中頃にはすでに決定していた。具体的には、オンラインサービスを提供するサードパーティーと提携し、自社のサービスであるメッセージサービスQQ IM やソーシャルネットワークQ-zoneなどの膨大なユーザベースを利用してもらおうというものだ。ソーシャルショッピングサービスのMeilishuo(美麗説)やMogujie(蘑菇街)は、このモデルを活用した好例と言える。Q-zone(Q空間)にターゲティング広告を掲載することで、これまでリーチできていなかったユーザ層の関心を引くことに成功したのだ。しかし当然のことながら、メッセージツールのような重要な自社サービスと競合する他社にはインフラを開放するつもりはなく、それ以外のサービス、例えば会員制の情報共有ウィジェットQQ Connectやクラウドストレージサービスなどをデベロッパに開放してきた。

Tencentのオープンプラットフォームには85万のアプリがある。Tencent によると、デベロッパは過去2年間で50億元(約8億米ドル)を稼いだという。同社の目標は、デベロッパがこの新たなモバイルオープンプラットフォームを利用し、2年でその倍額を稼げるようにすることだ。

本日、Tencentはモバイルプラットフォームから得られた収益の30%を分け前として得ることを発表した。この比率は、以前ウェブベースのオープンプラットフォームの際に起きたように、変化することが予想される。また、非常に人気のあるモバイルゲームからは、同プラットフォームにとどまってもらうためにその比率を下げたり、プラットフォームでのプロモーションが収益の主な柱となっているゲームに対しては比率を上げたりする可能性もある。同時に、Tencent の広告ネットワークを利用したモバイル広告からは収益分配を受けないことも約束している。

Android アプリの流通を促進するため、Tencent は Android アプリのダウンロードや管理を行うMyApp(応用宝)の改良を行い、2013年12月に再リリースした。MyApp 自体のプロモーションとして、WeChat の最新バージョンが MyApp で初めてリリースされた。MyApp では、過去2か月の間で1日平均5000万ダウンロードを記録している。

このMyAppは、中国のAndroidアプリ市場においては第4位の位置づけだ。市場は上からBaidu(百度)、Qihoo(奇虎)、Wandoujia(豌豆荚)の3社に占められており、2013年12月時点のシェアはそれぞれ38%、28%、15%となっている。一方MyAppのシェアは12%にとどまっていると Tencent のCOOは語っている。

Tencent の経営陣は、モバイルオープンプラットフォームはMyAppをはるかに超越するものであり、こうした競合他社とは全く異なる手法だと考えている。

  • TencentはデベロッパにMobile QQ、WeChat、Mobile Q-zone、QQ モバイルブラウザ、モバイルゲームプラットフォームなど多くのプラットフォームを開放しており、これによってデベロッパは容易にユーザにリーチすることができる。
  • Tencent のコアサービスであるQQ IM に付随するユーザデータやソーシャル要素は、他社のいかなるプラットフォームにも存在していない。Tencent は、ユーザ本人や友人の使用履歴、ダウンロード履歴を元におすすめアプリ情報を送ってくれる。また、ユーザ自身に「おすすめ」してもらうことが、アプリのマーケティングにおいては最も効果的だとTencentは考えている。
  • 同社は音声認識SDK、位置情報API、分析サービス、WeChat やクラウドサービスおよびPC Push向けのモバイルサイトビルダーなど、PCを介してモバイルユーザにリーチできるデベロッパ用ツールを多く開発してきた。
  • Tenpay(財付通)、WeChat Payment(微信支付)、仮想通貨QQ Coinのシステムなどの決済ソリューション。

モバイル用のプラットフォームは次の3点のおいて、ウェブ向けのものとあまり変わらない見込みだ。

  1. ゲームサービスの提供を専門とするTencentにとって、収益を上げるアプリのほとんどはモバイルゲームである必要があり、またこのサービスは、現時点で同社がモバイルで収益を上げている数少ないサービスの1つである点。
  2. ほんの一握りのゲームのみに人気が集中し、また2~3つのゲームが今でもTencentの全収益の1/3を稼ぎ出している点。
  3. Tencent が現時点においても巨大企業で、似たようなアプリを開発すれば瞬時にそのアプリは潰されてしまう点。

しかし、Tencent が最強のプラットフォームであることには間違いない。Shikonglieren(時空猎人)はサードパーティーが開発したモバイルゲームで、WeChatでの月間売上は2500万元を記録し、好調だ。

Tencent は、良いアプリを獲得するために徹底している。同社は、2013年11月にスタートアップが作業できるワーキングスペースを北京、成都や武漢に用意した。2014年には他の都市にもいくつかオープンする予定だ。同社が提供したいサービスには、金融コンサルティングやIPOに関するコンサルティングもある。それも全て無料でだ。同社はそれらのモバイルスタートアップに出資するかどうか、明らかにしていない。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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