「世界一の器用貧乏になればいいじゃないか」ーー #IVS で経営者たちが学生に語った「起業の原体験」

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学生と社会人の間というのはなんとも興味深い。インフィニティ・ベンチャーズLLP(以下IVP)が4月19日に開催したスプリング・ワークショップの会場で交わされた、学生出身の起業家、事業家と現役の学生たちの会話は示唆に富むものだったように思う。いくつかの話題を取り上げてお伝えしたい。

最後となる「人生相談セッション」に登壇したのはKLab取締役副社長の五十嵐洋介氏、サイバーエージェント取締役副社長の日高祐介氏、ネットプライスドットコム代表取締役、グループCEOの佐藤輝英氏、ユナイテッド代表取締役の金子陽三氏。モデレーターはIVPの小野裕史氏が担当した。

起業の原体験

そもそも起業の原体験というのはどういうモチベーションからやってくるのだろか。学生との一問一答が始まる前、小野氏は登壇者たちにそれぞれの起業原体験について尋ねた。

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日高氏と言えばサイバーエージェント創業時の話題が書籍などで多くでているのでご存じの方も多いだろう。学生時代からあまり集中して物事に取り組めなかったそうで、キャリアをスタートさせるころまでその怠け癖は続いたという。ただ、藤田晋氏と起業した後は”自分ごと”として経営に取り組まなければならない。

日高氏は「いいわけできなくなった」と表現していたが、この「後がない感」が彼が経営者として成長する上での原体験になったようだ。

ネットプライスの佐藤氏とユナイテッドの金子氏はそれぞれ厳しい環境に身をおくことで自分をさらに高い場所へと誘おうとしている。

佐藤氏は学生時代にイタリア留学した時のことを振り返り、60カ国ぐらいからやってくるすごい奴らとの差に愕然とする。英語もままならない佐藤氏は「這い上がってやろう」と留学先を卒業するときには専攻した経済学でトップで抜ける。

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金子氏も最初に就職した投資会社でシリコンバレーに赴任、20人ほどいるメンバーで日本人は自分ひとり。結果、ひとつも投資できなかった原体験がその後の奮起へと繋がることになる。

五十嵐氏をやる気にさせるのは「驚き」だ。彼が学生だった時代はまだ 「インターネットはあったけどウェブはなかった」 という黎明期。まるでエジソンが電気を発明し、その明かりに驚いたかのような新鮮な感動が彼をその後の道へと誘っていったという。

「海の向こうのスタンフォードのやつらが書いてる論文をみれたりして、自分でもこの電気をつけたいという衝動があった」(五十嵐氏)。

挑戦という道のりを越えてきた経営者と学生の一問一答

セッションはこれから社会へと歩みを進めようという学生の質問に経営者が答えるという形で進行した。以下、興味深いものをピックアップしたので共有させていただこう。

質問:器用貧乏をどう考えればいいか?

五十嵐氏:いろんなことにチャレンジしているから器用貧乏になれる。どのようなきかっけがなにに繋がるかなんてわからない。目の前に何かやりたいことがあれば迷わず突き詰めるべき。見つからなかった場合だって、人よりも多くチャレンジしたことが差別化要因になる。世界一の器用貧乏になればいいじゃないか。

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佐藤氏:器用貧乏を突き詰めるとバランスのいい経営者になれるかもしれない。例えば金融や商社は何かやりたいというより、幅広い世界をみれる業種。そういうところで何かが見つかるまで取り組んでもいいかもしれない。器用貧乏を悪いように捉える必要はない。とにかくいろんなことに興味があることはいいことだし、悩みながら前にすすめることがいい。

質問:リーダーシップというのはなんなのか

日高氏:チームの目標が大切。サークルでリーダーシップが難しいというのはあたりまえ。いろんな目的があるから。目標が明確でなければリーダーシップは成り立たない。

その上でマネジメントで気をつけているのは、それぞれがどうやったらハマるかを考えること。叱るのは簡単だけど、ほっといてもハマるという場所を提供する方がいい。考えないとどうしようもない状況にもっていけば自然と動くようになる。

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質問:大学四年間でやらずに後悔していること。

佐藤氏:最初の会社で初めてコーディングをしたのだけどやっておけばよかったかもしれない。とにかく大学時代にできるだけやれることは沢山やっておくべき。できる人と一緒にやるというのもいいのだけれど、やはり自分で実現できる方がいい。

質問:人と違うことをやっていることに対して嫌悪感を持つ人とのつき合い方

日高氏:反骨心を忘れないことが大切。人生持ち上げられては叩かれということの繰り返し。

質問:事業をやる上でのミッションはどうやってうまれたか

金子氏:経営陣で議論を重ねた結果出てきた。(ユナイテッドは)それぞれいろんな経験があった人間が集まってきているのでどこ目指すかについては議論に時間をかけた。

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佐藤氏:結果論としてミッションが出てくることもある。例えば高い目標に挑戦した結果、究極の選択みたいな窮地に立つとミッションが浮かび上がってくることがある。

質問:原動力はどこからやってくるか

五十嵐氏:知らないシステムコールとかが出てくると知りたいと思う。なぜできるのか、その人の英知に驚かされて自分もやりたくなって深みにはまる。自分が探求したいということがあれば、モチベーションとか考える必要がないかもしれない。

質問:人間ってなんのために生きてるのか

佐藤氏:後悔しない生き方を選ぶことが大切。ビジネス作りながら準備万端になる時なんてない。なんでも初めてがやってくるわけで、そのチャレンジしている自分が後悔しない、という生き方を選ぶこと。やると決めてどう生きるかが大切なのではないか。

質問:あるアイデアをもっていて起業したい。どういう人を集めたらいいか

佐藤氏:アイデアやどういうスキルをもっているかにもよるが、自分が持っていないものを持っている人を集めると多様性がでるのは確か。最初になんか違うなと思う人はやっぱり数年後に離れてしまう。違和感がある人は入れないというのが大切。

質問:話題が合わない人とのコミュニケーション方法

五十嵐氏:周りの人を「是」とするとついていけなくなる。上の人のいうことを聞きすぎてもだめ。かといって聞かないのも問題が起こる。このさじ加減をどうするか、距離感をどう測るかというグラデーションが大切で、仲間や資金力、技術力、いろんな指標を持って判断する。そこに価値がある。

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