2,000万ダウンロードという画期的な数を見れば、ジョルテはおそらく日本で最も成功しているカレンダーアプリと言えるだろう。日々のスケジュールを管理するために、Fantastical や Drafts など多くのツールを組み合わせて使っている私にとっては、ジョルテは適していない。あふれんばかりの文字の洪水に惑わされるからだ。[1] しかし、興味深いことに、多くの一般的なユーザにとっては、ジョルテは使いやすいものになっているようだ。
ジョルテの想定ユーザは、まさにそういう人たちだ。
最近、創業者兼CEOの下花剛一氏をはじめ、ジョルテの社員の人たちにインタビューできる機会があり、彼らはギークにアピールしたいのではなく、一般的なユーザ層が使うカレンダーアプリを開発したいのだということがわかった。ジョルテが多くのユーザを獲得していることを考えれば、このアプローチは成功しているようだ。[2] アクセスしやすく、昔ながらのカレンダーデザインを取り入れることで、ジョルテは(平均的なユーザ層を取り込むべく)網を大きく張っている。ここ日本では、国内で成長の余地がある分野においては、この方法が大きな収穫をもたらしてきた。
ジョルテは2010年に Android 版でスタートし、現在も90%のユーザが Android 版を使用している。2012年終盤にリリースされた iOS 版は機能面で Android 版に追いついており、今後さらに iPhone ユーザの獲得が期待できるだろう。同社は2014年中にユーザ数3,500万人の到達を目標にしている。
他の多くのカレンダーアプリとは異なり、ジョルテは提供するコンテンツにフォーカスした戦略を取ってきた。好きな野球チームの試合日時、ゴミの収集日時、DVD のレンタル開始日など、信じられないほど多くの情報を取り込んだり、管理したりすることができる。50社以上のパートナーと提携し、面白カレンダーを1万種以上提供している。カテゴリ毎のリスト一覧で、企業やコンテンツプロバイダの上位表示が、ビジネスモデルの一つになり得るだろう。[3]
ジョルテの海外での利用動向について見てみると、ユーザの内訳は次の通りだ。
海外で受け入れられるには、適切なローカリゼーションが重要になってくる。これまで、ジョルテは自社の翻訳プロジェクト・ホームページ上で、ユーザ・コミュニティの力をうまく活用し、ローカリゼーションに成功しているようだ。ジョルテの英語版は、欧米市場に本格展開するまでには、まだ幾分の UI テキストの調整が必要である。隣の韓国では、ジョルテは Naver や Daum との競争にさらされているが、同社にとっては、韓国の Android 市場の大きさが魅力的なのだろう。
ジョルテを試したい読者は、AppStore か Google Play から無料でダウンロードできる。
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