出る杭が打たれない街ニューヨークで、無給インターンとしてローフードの世界に飛び込んだ羽田賀恵さん【前編】

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2014.4.28

kae_Hadaマザーアース・プロジェクト株式会社/マザーアース・ソリューション株式会社の代表で、ローチョコレートや、新たにデトックス・クレイなどの製造・販売を行う羽田賀恵さん。ご本人とお会いするより一足先に、羽田さんが作る「NamaKiss」のローチョコレートをいただいた。スイーツを食べている感覚はあるのだけれど、新しい食感で、変な甘みが口に残らない。

ローフードの存在を初めて耳にしたのは、ニューヨークが舞台の「Sex and the City」だった気がする。NYといえば、美容や食のトレンド発信地。羽田さんは、1999年から2005年までの6年間をNYで過ごした。こうしたトレンドが日本に到来するのは、だいたいアメリカの10年後と言われているそう。例えばローフードは今ようやく日本で波が来ていたり、マクロビオもNYでは20年前に流行っていたり。

健康オタクと自らが名乗る羽田さんは、子どもの頃からアレルギーがひどく、化学療法に頼った治療が難しいことがわかってからは、自ら専門学校に通うなどしてさまざまな自然療法を試してきた。

「症状や病気と、たたかわずに付き合っていくことが大事だということを学びました。自然の大きな流れに身体を横たえて、その流れに乗ることで身体が本当に健康になっていく。これを、ローチョコレートやデトックス・クレイなどを通して伝えたいと思っています」

NYに渡米して目覚めた「ほんとうの自分」

大学卒業後、野村証券の営業企画部に勤めていた羽田さん。7年の勤務期間を経て結婚し、当時の旦那さんの転勤でNYに渡米した。会社員だった頃は、独立なんて想いもしなかった羽田さんは、夢追い人が集まるNYの土地で新しい自分に出会うことに。

「NYにいる人たちって、みんなが何かで世界のトップに立とう、自分にしかできないことをやろうというエネルギーに満ちあふれていて。でもお互いの違いを尊重していて、背中を押してくれる。NYに行って、自分の中に潜んでいたものが目覚めた感じでした」

日本とは違う、出る杭が打たれない世界。自分も何かをしたい。そんな漠然とした想いを加速させたのが、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件だった。当時、同じアパートに住んでいた友人が旦那さんをテロで亡くした。彼女にはお子さんもいて、当時妊娠中。ワールドトレードセンターが崩れ落ちた瞬間に彼女の家にかけつけて、鳴らない電話を一緒に待ち続けた。

「電話がかかってきて、彼の無事が確認できることをずっと一緒に待っていました。でも電話は鳴らなかった。人の命が突然に奪われ、当たり前だった日常が終わってしまう。この体験から、やりたいことがあるならやらなきゃ、と強く思うようになりました」

NYのレストランに無給インターンを直談判して深めたローフード

羽田さんの第二の人生が始まった。せっかくNYにいるのだから、とNYの街をひたすら歩いて、マンハッタンの情報を集めたウェブサイトを立ち上げた。当時はWordPressなどの便利なブログツールもなく、HTMLも自ら書いた。新しいお店やレストランを発見しては、自ら取材をしてサイトで紹介していった。

そんな時、たまたま隣に住んでいた雑誌編集者の日本人女性から取材の依頼を受けた。女性は妊娠中で具合が悪く、羽田さんがピンチヒッターに。雑誌の特集テーマは、「NYの野菜事情」で、その取材先の一つが当時NYで大人気だったローフードレストランだった。

「すごく話題の新しいタイプのローフードレストランでした。ファッション業界の人、モデルや女優さんにも人気で。面白いし、日本でもいつか流行るかもしれないと思って、勉強させてください!とシェフに直談判したんです」

それからの一年間、毎日キッチンに立って調理を教わり、ローフードのセミナー開催を手伝うこともあれば、食材の在庫管理も行う日々を過ごした。配偶者VISAで渡米していた羽田さんは、あくまで無給のインターン。でも、この一年間で学んだローフードや栄養にまつわる話が、今自身で開催するセミナーの題材にもなり役立っている。

NYで情熱的な人、新しい物や場所に出会い、自分でも認識していなかった新しい自分にも出会った。その一方、プライベートでは旦那さんと離婚。内に秘めた情熱に気がつくことなく駐在員の奥さんを続けていた羽田さんが開花していくなか、向かう方向が変わってきたから。離婚後、6年間のNY生活を終えて日本に帰国した。

後編につづく。

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