ミュージシャンから転向した起業家は、いかにして年商4億ドルの会社を作ったのか

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How a musician-turned-entrepreneur built a company that generates over $400 million per year

日本でIT業界にいる人なら、セプテーニホールディングス代表取締役社長、佐藤光紀(写真上)氏をご存知だろう。

立教大学法学部を卒業した佐藤氏は多くの同窓生とは異なる進路を選択した。法律家としてのキャリアを捨て、音楽の道へ進むことにしたのだ。当然ながら食べていかなくてはいけないため、卒業後はセプテーニという人材開発会社に勤める一方、自分の時間では音楽を楽しんでいた。

社内で彼は他のサラリーマン同様に平均的な社員であったが、仕事が終われば音楽の世界に没頭していた、という具合だ。

佐藤氏は16歳の時から夢であった音楽の道を追求した。しかし実際に音楽業界で仕事をしてみると、他のミュージシャンには歯が立たないと悟ってしまう。

「自身の音楽人生において、2つの壁があると感じました。1つは私よりも才能に恵まれたミュージシャンがたくさんいる、ということを実感したこと。もう1つは、日本における従来の音楽業界システムは状況悪化の一途を辿っていたことです。テクノロジーやインターネットの影響で脆弱になっていたのです」(佐藤氏)。

新たな道

じっくり考え抜いた後、佐藤氏は音楽への情熱を捨て、その道での成功を諦めることにした。代わりに彼が選んだ道は「起業家になること」だった。

彼は実現可能なアイデアを書き連ねた。そこには、金融、食品、インターネット業界で可能だと考えられる50ものビジネスが記されており、最終的に彼はオンライン広告を選択する。

時は1999年、多くの企業がインターネット広告を開拓してはいるがまだその方法をよく分かっていない時代だった。専門家もいなければ、頼れるリソースもなく、また指針となるものもなかった。そして、インターネットマーケティングに力を入れている企業も少なかった。

「インターネットは、広告業界に革命を起こすことができるはずだ。しかし当時、専門家がいなかったんです。だからこそ絶好の機会だと思いましたね」(佐藤氏)。

こうして当時のセプテーニのCEOはオンライン広告業界への進出を狙って佐藤氏を支援した。24歳の時、まさか自分がセプテーニのオンライン広告部門をリードしているだなんて、姿を想像すらしていなかったが、結果的に目標がセプテーニのビジネスモデルを革新することになったのだ。

しかし当時、オンライン広告は今日のように華やかなビジネスではなかった。佐藤氏の話によると、検索エンジンマーケティングはまだ存在しておらず、インターネット速度が遅かったことからオンライン広告バナーも人気がなかった。

効果があったのはメール広告ぐらいで、メール広告を提供している企業はセプテーニ以外にまだ2、3社しかなかったが、セプテーニが最も速い成長を遂げていたのだそうだ。

運営して初年度(2000年)には、佐藤氏のオンライン広告マーケティング部では200万米ドルの収益を上げた。そして2001年にはセプテーニの売上は5倍以上に伸び、ついに1200万米ドルになった。同年、セプテーニはJASDAQ証券取引所にて上場した。佐藤氏が26歳の時のことである。

そして売上は野火のように拡大し続けた。2004年までにセプテーニの売上は6300万米ドルに到達、彼のオンライン広告部門の事業規模は既存の人材開発事業をかなりの差で上回ることになった。

大きく、広く、遠くへ

FecebookやTwitter、Lineなどのオンラインプラットフォームによる新たな広告収益の成長をみると、セプテーニのその後成長は明らかで、昨年(2013年)の売上は4億5900万米ドルを超えることになる。

また、日本での成功に支えられシンガポール、ベトナム、アメリカにも事業を拡大した。2014年第1四半期だけで2013年通期の海外売上金額を超えているのだそうだ。

さらにセプテーニは新たな分野となる他ビジネスにも乗り出した。モバイルゲームを制作する子会社アクセルマーク、モバイルマンガ事業を行うComicsmart(スクリーンショットは同事業の提供するサービスGANMA)、そしてオンラインリクルートプラットフォームのVivivitなどを次々に立上げていく。

スマホでマンガを読んでみた!GANMA__ガンマ!_

現在39歳となる佐藤氏はセプテーニを引き続き開拓していくため、依然その情熱を保ち続けている。彼は企業が成長を継続していく上で最も重要なことは新たなトレンドと共に進化し続けることだと語っている。

セプテーニは現在、800名もの従業員を抱えるまでに成長したが、佐藤氏が「急成長する大手企業で人をまとめるのは楽ではない」と語るように、事業展開していく上で最も大きな挑戦は、企業の運営規模に沿って組織を再構築していくことなのだそうだ。

最後に現在の起業家に対するアドバイスを求めたところ、「ビジネスは短距離走のようにすぐに構築することはできません。マラソンだと思ってください」と、長期的な視点で考えることを強く勧めていた。

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