ITV他から2億7000万円を調達したTokyo Otaku Mode、「国産ポップカルチャー・コマース」拡大を狙う

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Tokyo_Otaku_Mode

日本のアニメシーンをはじめとする国産ポップカルチャーを世界的に配信する「Tokyo Otaku Mode(以下TOM)」を運営するTokyo Otaku Mode Inc.(以下、TOM社)は4月16日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)をリードインベスターとする総額2億7000万円の資金調達を完了したことを発表した。

シリーズAとなる今回の調達ラウンドにはITVの他に三菱UFJキャピタル、サンエイトインベストメント、ディー・エヌ・エー、GaiaX Global Marketing & Ventures Pte.Ltd(GX)、500 Startupsらが参加している。なお、ITVとGX、500 Startupsは追加投資組で、500 Startupsは今回で3度目の投資となる。出資比率や払込などの詳細は非公開。

2011年頃にfacebookページによるコンテンツ配信を開始したTOMは、開設後22カ月のスピードで1,000万Likeを獲得、現在は1470万人のユーザーがfacebookページにLike登録を実施している。その後2012年12月にはTOM社としてデラウェア州への法人登記を実施し、北米のシードアクセラレーター500 Startupsへの参加も決めている。

現在はfacebookページに加え、ユーザー投稿型の独自サイト「Tokyo Otaku Mode.com」も運営、登録クリエイターの数字は昨年に比べて5倍に拡大しているという。

高額商品が即完売する「国産ポップカルチャー・コマース」の可能性

新たなステージにステップを踏み出したTOMが狙うのは「コマース」の拡大だ。

The_Tokyo_Otaku_Mode_Premium_Shop

TOMは2013年の9月頃から独自サイトのTokyo Otaku Mode上でコマースを開始している。これが同社のビジネスモデルとなる広告事業に並ぶ二本柱を形成しており、今回の調達の大きな理由にもなっている。

TOM社CEOの亀井智英氏への取材では、現在、サイトへの大きな集客源となっているfacebookページユーザーは男女別で半々程度、アジア圏4割で北米と南米がそれぞれ2割と海外勢がほとんどとなっている。当然、このコマースの販売先も海外となるわけだ。開始しているコマースでは既に60カ国以上への発送を実施しているという。

また、販売できる商品の可能性も大きい。ユーザーは既に絞られている以上、彼らが欲しい商品であれば海外への配送料や価格などの課題はクリアしやすい。

例えば、この20枚限定のプリント原画は作家のサイン入りということで日本円で約12万円という高額商品ながら即完売したそうだし、その他にもドラゴンボールの作画商品なども同様に、鳥山明氏の「オリジナル印」が入ったものを2万円ほどの金額で販売をするなど、攻めの姿勢が感じられる。

Flower_of_Innocence_Framed_Limited_Edition_Primography_Print_Signed_by_Takashi_Takeuchi

参考:日本円で12万円するアニメ原画は即完売したという

さらにそういったファン層のリピートに関しても「他の一般的なコマースに比較して高め」(亀井氏)とうまく受け入れられている印象だ。

世界のオモチャ屋さんみたいな世界観

確かにTOMは、日本独特の文化を持った世界的なメディアになる可能性を持っていると思う。しかし一方で、政治的な話題から始まったハフィントン・ポストがいつしか多くのテーマカテゴリをカバーしたように、また、書籍販売から始まった米アマゾンがいつしか洗剤まで販売するようになったような「単純な拡大」は難しい。やはりこの特定カテゴリならではの強さがあるからだ。

規模の拡大について亀井氏は、まず世界のキャラクター市場はMD(マーチャンダイジング)エンターテインメントカテゴリでおおよそ3兆円規模あると説明。

ここは国内キャラクター以外に、ディズニーなどの北米勢と日本以外のアジア勢が多数を占めており、今後、国内のキャラクターだけでなく、こういった海外キャラクターなどの取り扱いも開始できればさらに拡大できるとのことだった。

「1人勝ちするというより、コンテンツあってのメディアです」と語る亀井氏。

増え続ける登録クリエイターたちと一緒にこのメディアを成長させ、さらに海外権利ものなどへの拡大を合わせて展開をすすめれば、「世界のオモチャ屋さんみたいな存在」になるのでは、と話してくれた。

ここにくれば楽しいクリエイティブとの出会いがある。TOMが世界中からそう思われるポジションに到達する姿をみてみたい。

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