新経済サミット〜パネル・ディスカッション「なぜシリコンバレーへ行く日本人が増えているのか?」 #NES2014

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左から:外村仁氏(エバーノート日本法人)、芳川裕誠氏(Treasure Data)
松田憲幸氏(ソースネクスト)、 杉江理氏(WHILL)

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

これは、新経済サミット2014の取材の一部だ。更新内容は、Twitter@thebridge_jp からもフォローできる。

先週、ここ東京で開催された新経済サミットの2日目、シリコンバレーに行くことで日本の起業家が得られるメリットを議論するパネルを聞く機会があった。このセッションは、WIL の共同創業者で CEO の伊佐山元氏がモデレートした。参加したスピーカーは、

  • 松田 憲幸(ソースネクスト株式会社 代表取締役社長)
  • 芳川 裕誠(Treasure Data, Inc. CEO兼共同創業者)
  • 外村 仁(エバーノート日本法人 会長)
  • 杉江 理(WHILL株式会社 共同創業者兼CEO) [1]

最近、以前に増して多くの日本人投資家や起業家がシリコンバレーに移住している。このトレンドの背景を探るべく、伊佐山氏はスピーカーの全員にシリコンバレーの拠点を構えた理由を尋ねた。

日本のソフトウェア流通会社ソースネクストは、シリコンバレーに現地常人を2012年に設立し、現地の有名企業と提携して、それらのソフトウェアのパッケージ版を取り扱っている。現地オフィスを開設して以降、松田氏は自身の時間の半分以上をシリコンバレーで過ごしている。

私自身がシリコンバレーに来る以外に選択肢がなかったのです。かつては短期の出張を重ねていましたが、拠点を設けないと現地の人たちと打合せをするのが難しいと気付いたのです。数ヶ月間シリコンバレーで過ごしてみて、多くのよい提携を結ぶことができました。そこで最終的に本社での私の役割を部下に委譲し、シリコンバレーに住み始めることにしたのです。

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松田憲幸氏(ソースネクスト)

このディスカッションは、外村氏へと移った。彼はシリコンバレーで日本のビジネスマンが働くのはまだ一般的ではなかった1990年代はじめ、Appleでマーケティングのディレクターとして勤務していた。彼はその頃を振り返って、次のように述べた。

その頃は、自分でビジネスを立ち上げたいなんて思いはありませんでした。どうしてまだシリコンバレーに居るのか? たぶん、多くのエキサイティングな人々に会えるからでしょう。日本では、エネルギーの多くを雑務に注がなければならないように思います。

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外村仁氏(エバーノート日本法人)

杉江氏は自身の次世代車椅子スタートアップを立ち上げる前、日産で勤務していた。非日本語話者向けの日本語教師をしていたこともある。彼は拠点をシリコンバレーに移した理由を次のように語った。

電気自動車業界を比べてみると、アメリカは日本の15倍あります。年間に売られる台数を見てみると、日本の2万台に対してアメリカは30万台です。そこで、我々は最初のプロトタイプをシリコンバレーで出すことを決めました。この地域にはアーリーアダプターが多く、投資家や消費者などと面談をアレンジするのも容易です。

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杉江理氏(WHILL)

芳川氏は三井物産の投資部門で以前働いていた。伊佐山氏はそのようなよい条件を捨ててまで、なぜスタートアップをローンチしたのかを尋ねた。

テック企業に投資していたので、シリコンバレーにいることは自然でした。しかし後にビッグデータには大きな可能性があるとわかったんです。そこで自分自身でそのビジネスを手がけるべく、スタートアップをローンチしました。

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芳川裕誠氏(Treasure Data)

伊佐山氏は、シリコンバレーでビジネスを行う上での困難についても尋ねた。杉江氏は、現地の従業員を採用する上で、多くの困難に直面したと告白した。

アメリカで採用をするのは大変です。従業員候補とインタビューすると、彼らは「御社での業務に自分が合致すると、大変自信を持っています」とか「私のスキルは、御社にぴったりです」とか、自分を売り込んできます。雇用者が面接相手の履歴書の内容を信じる日本とは違うのです。採用を決める前には、面接対象者が共に仕事したことがある最低3人の人々と話してみる必要があります。採用においては、大きな文化的ギャップがあると思います。

杉江氏は、シリコンバレーの魅力を話し、聴衆に自らのビジネスをシリコンバレーでローンチすることを促して、このセッションを締めくくった。

シリコンバレーは確かにすばらしい。でも、その地理的要素が重要なのではない。ヨーロッパもすごい。中国もすごい。シリコンバレーの起業家が持っているマインドセットが重要なのだと思います。そのマインドセットを体得できれば、世界のどこへ行ってもビジネスをローンチできると思います。

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パネルをモデレートする、WILの伊佐山元氏

  1. この記事で、杉江氏との独占インタビューを読むことができる。