「astamuse(アスタミューゼ)」が発明者が所持する特許の注目度・影響力のスコアリング機能の提供を開始

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astamuse

オープンイノベーションプラットフォーム「astamuse」を運営するアスタミューゼは、発明家、研究者が自ら出願した特許の注目度や影響力を、無料で調べることができるサービスを新たに開始する。

出願し登録されている発明者の特許が、他の技術者にどのくらい参考にされたか、他の特許成立をどれくらい阻止したのかといったことをスコア化。サイト内で確認できるようになる。

「astamuse」は国内外で100万人以上が登録している技術者や研究者など発明者向けのサイトだ。国内外の膨大な公的データを元に、様々な市場、分野、技術、企業、発明者の情報を提供している。有望市場、分野別の動向、注目されているキーワードなどを閲覧できる。

astamuse electronic parts

同サイトは、技術者を中心に、事業家や投資家などを対象とし、新規事業や投資判断などの参考に用いられている。

特許の「影響力」を可視化

「astamuse」には日本国内での20年分、1050万件に及ぶ特許データが記録されている。今回追加される新機能では、この膨大な量のデータを活用し、発明者が過去に出願した特許が誰にどのような技術に引用されているのかを「影響力」として可視化する。

これまで特許は一度出願して登録された後、会社の事業で活用されない場合、その特許がどのような価値を持っているのかが見えにくくなっていた。だが、他の特許が申請される場合、先行技術として参照されたり、似た特許である場合は出願の拒絶査定される際に引用されることがあり、特許は事業に活用される以外にも効果を発揮している。

事業に活用される以外に特許が持っている「影響力」という価値を、2つの視点から可視化するのが「astamuse」の新たな機能だ。

影響力・注目度_ver2

  • ビジネス影響力
  • 技術影響力

ビジネス影響力は、日本国内においてどれだけ他社の技術を押さえ込んだかを数値化したもの。過去に発明者が出願した特許が、他の出願者による出願が拒絶査定される際に、引用された回数を閲覧できる。

技術影響力は、日本国内においてどれだけ他の技術に引用されているかを数値化したものだ。出願した特許が他の出願者に先行技術として参照された回数とその審査の過程において専攻文献として引用された回数の合計を出願別に閲覧できる。ビジネス影響力も技術影響力も、どのような出願に対して影響力を発揮したのかも知ることが可能だ。

これらの可視化に加え、約100万人の登録者がいる「astamuse」内での特許の注目度を可視化し、3つの数値で特許の価値を可視化する。

スタートアップも無視できない研究領域

これまで「astamuse」は会員登録することのメリットはあまり大きくなかった。だが、今回の機能が追加されたことで、技術者や研究者の会員登録のペースが向上することを見込んでいる。今後は、海外で出願された特許情報など、英語圏の技術データへの対応も視野に入れているという。

アスタミューゼが目指すのは、研究者をエンパワーメントすること。研究者や技術者が持っている特許の価値を本人たちが自覚し、かつ外部からもその評価がわかりやすくなれば、発明者にとって最適な場所で働きやすくなる。

海外では数年大学院で研究した成果を元にプロダクトを開発し、スタートアップする人々も出てきている。スタートアップや新たに事業をやりたいと考えている人間にとって、こうした情報は無視できないもののはずだ。

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