口コミの力で、タイの化粧品市場を革新する日本人起業家——「BuzzCommerce」の若井伸介氏(ビデオ)

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2014.5.27

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

目下、タイはクーデターにみまわれているが、LINE のユーザ数で世界2位の座を誇ることにも象徴されるように、世界的なソーシャル・メディアの動向を語る上で無視できない存在だ。この国では、日本人を含む多くの外国人がスタートアップを立ち上げている。BuzzCommerce の若井伸介氏もその一人だ。

彼は十年以上前からバンコクに住み、タイの人々やビジネスと深く関わって来た。4年前に cosmenet という化粧品口コミサイトを立ち上げ、欧米、タイ、それに日本の化粧品メーカーのブランド構築を支援している。言わば、@cosme のタイ版だ。

cosmenet_screenshot
cosmenet

従来、化粧品ブランドはテレビや雑誌などのマスメディアを使ったプロモーションに依存していたが、より効果的で消費者に近いマーケティングができることから、cosmenet を利用する企業が増えて来た。商品に対する公正な評価が期待されるメディアにおいては、一定の中立性が求められるため、これまで cosmenet では化粧品をプロモーションすることはあっても、販売することはしなかった。しかし、紹介された商品は容易に市中の店舗で購入できないため、その入手方法についてユーザから問合せを受けることが多くなった。

そこで、若井氏は cosmenet で紹介された化粧品を含め、タイ国外の化粧品をタイの若い女性に販売できる Eコマースサイト「BuzzCommerce」を作ることにした。化粧品の輸入にあたっては、当該国の食品医薬局の許可が必要になるが、若井氏のパートナーは日本の大手ドラッグストアの輸入申請等も支援しており、このような手間のかかるペーパーワークも難なく進めることができる。

タイには現在、楽天が手がける Tarad や、それにヒントを得たテレコム企業 True による WeLoveShopping などのEコマースサイトがあるが、タイ国内のオンライン・コマースの大部分は Facebook や Instagram を使った C2C に占められているのだそうだ。Eコマース環境が未整備のこの国で、現地の若い女性からどれだけの支持を集められるかが、BuzzCommerce が成功できるかどうかのカギになるだろう。

BuzzCommerce は先頃 East Ventures から資金調達し(調達金額等の詳細は非公開)、若井氏は現在、Eコマースサイトの開発に注力している。開発が予定通り進めば、Web 版が6月中、モバイルアプリが8月〜9月位に公開される予定だ。

昨日、シンガポール拠点の Luxola の資金調達の記事でも触れたが、東南アジアには定期購入型の化粧品コマース数社に加え、台湾の化粧品口コミサイト Fashionguide などが存在する。この地域でのEコマースに熱心な Rocket Internet は、傘下にあった GlossyBox を昨年2月に VanityTrobe に売却しており、化粧品コマースに特化したポートフォリオは持っていない。したがって、東南アジアには、化粧品コマースの市場機会が多く残されていると考えられ、これは BuzzCommerce にとって、タイ国内のみならず、他の東南アジア諸国への進出にも大きな可能性があると考えてよいだろう。

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