崖の上からから飛び降りながら、飛行機をつくる

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hiroHiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげるスタートアップ・スタジオ「BEENOS」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。彼の視点が綴られるブログには示唆が多く、より多くの人に伝えるため転載を許諾してもらった。元記事はこちら

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Image by Flickr

LinkedInの創業者 リード・ホフマンの名言の1つに、「スタートアップとは、崖の上からから飛び降りながら、飛行機をつくるようなものだ」という言葉がある。

僕もまさにその通りだと思う。

起業家は、「やばい、やばい、やばい」と日々言いながら(もしくは頭の中で言いながら)仕事をしている。それは、人材採用が間に合っていなかったり、サービスを作り上げるための体制や仕組みにボトルネックが生じてしまったり、はたまたプロダクトに対する需要が供給を上回ってしまったり。とにかく起業家は、日々多くの「追い込まれた状況」の下にいる。

僕は、これがスタートアップの正しい姿だと思う。ある意味、「やばい」と感じているのであれば、安心と言っても良いのかもしれない。なかには、この「やばい」状況から逃げるためにサービスのローンチを必要以上に先延ばしにしたり、改善や新しい取り組みをすることなく現状を維持したままで運営を続けたりする起業家がいる。

でも、怖いからこそ、順調と感じているからこそ、逆に「どうすれば崖から飛び降りれるか」を常に一生懸命考えた方がいい。

崖から飛び降りる方法はいくつかある。

さっさと顧客からお金をもらう

もしそのサービスが有料サービスなのに無償Beta版の提供を続けて、まだ有料会員や企業など顧客がいないのであれば、さっさと課金を始めた方が良い。

ユーザーからお金を受領しサービスを提供するとなれば、もう後戻りは出来ない。とにかく走り続けて、ユーザーを満足させるために、改善を繰り返しながらオペレーションを回していけないといけない。

スケールしない事をする

特に最初の段階は、正直オペレーションの仕組みは重要視しなくても良い。人力でも良いので、とにかくオペレーションを回し続けてみることが重要だ。例えば、もしエンタープライズサービスを展開しているのであれば、顧客のオフィスに常駐させてもらって、サービスを提供してみればいい。

もしデリバリーサービスをやってるのであれば、実際に自分自身で顧客に商品を配達してみればいい。とにかく最初は、スケールしないことをする。YCombinatorのポールも同じことを言っていたが、最初は顧客の事やオペレーションの中身を学ぶことこそが大事。仕組みや体制作りに集中して注力するよりも、サービス自体をスピーディに検証して学び改善することを最優先にするべきだ。

先ずは限界を目指す

限界を経験しなければ、組織も経営者もプロダクトも成長することは出来ないし、イノベーションは起きない。今の組織、そして自分自身の限界値がどこにあるのかを考えて、とにかく「限界」を目指ざす。

このとき大切なのは、常に崖から落ちている状況下にいるのではなくて、飛び降りては着地して飛び降りて着地はしての繰り返しであるべきということ。飛び降りたあと着地ができた時は、頑張ってくれた仲間達と自分自身をちゃんと褒めて祝う。ただ、着地した状態はとても居心地が良いものなので、ついつい長居してしまわないように注意すること。

まだ自分は飛び降りて無いと思うのであれば、さっさと自分を追い込んで、崖の上から飛び降りるべきだ。

via hiromaeda.com

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