多くの日本企業が、日本へやってくる旅行者のために、さまざまなサービスをローンチしてきた。言うまでもなく、このような旅行者にとって最大の障害は言葉の問題だ。今日は、スマートフォンを使ってこの問題を解決しようとする新しいサービスについて紹介したい。
東京を拠点とするデモ社は最近、旅行者がクラウドシーシング通訳者を探し、言葉の通じない地元の人々とコミュニケーションするのを助けるビデオチャット・アプリ「LACU(ラクー)」をリリースした。このアプリは iOS で利用可能で(旅行者向けのアプリと、通訳者向けのアプリがある)、iOS 版がうまく行けば Android 版も開発したいとしている。
LACU を使うと、ビデオチャット機能を使ってコミュニーションを助けてくれるクラウドソーシング通訳者を簡単に見つけることができる。通訳者は各々1分あたり20〜100円の料金を設定でき、ボランティア通訳は無料で通訳サービスを提供できる。料金の40%は通訳者に渡され、残りの30%ずつをデモ社とアプリストアが分配する。
デモ社はこれまで、スウェーデンのユーザビリティ分析ツール Ghostrec や、セルビアのコンテンツ・マネジメント・システムなどと協業し、これらのツールの日本やアジア市場への展開を図ってきた。このローカリゼーションの過程で、同社は東京のオフィスにエンジニアを招いたが、彼らは特に週末、地元の人々とコミュニケーションをするのに問題を抱えていた。このような経験から、デモ社はこの通訳アプリの開発に着手することにした。
これまでにも Babelverse や SmileCall のような類似サービスが存在した。Bavelverse は、低価格ながら便利なカンファレンス向けの同時通訳サービスだが、人々同士のカジュアルな対話にはあまり向かない。SmileCall はホテルなどの公共場所の受付でコミュニケーションするのを助けてくれるが、運用コストはその場所のオーナーが負担しており、自分の観光に持って行くことはできない。
デモ社はアプリのローンチに先立って、クラウドソーシング通訳者を集め始めており、既に通訳者からのダウンロードが500件、サインアップは300件に上っている。同社の社長兼CEO角田芳泰氏は、既に10万人以上のユーザから通訳リクエストを受け付ける準備ができている、と話した。
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