マーケ出身のファウンディングチームが手掛ける動画広告のコンテストサイト「RedRock」がPanasonic「リフレシリーズ」のCMを公開

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RedRock-teamRedRockのチーム(左:田中さん、中央:桐原さん、右:柏木さん)

2013年12月中旬にローンチした「RedRock(レッドロック)」は、動画クリエイティブに特化したクラウドソーシング。主に、映像クリエイター向けの動画広告コンテストを主催する。

賞金総額165万円で開催中のクックパッドの動画CMコンテスト、DeNAのヒットゲーム「パズ億〜世界一周編〜」のWebCMコンテストも賞金100万円など、映像クリエイターにとって実力を発揮する魅力的なチャンスが並ぶ。

最近では、RedRock初の動画広告となるPanasonicの小型マッサージ器「リフレシリーズ」のCMが公開されたばかりだ。

実は、PanasonicのCMに登場しているの(画面右側)は、RedRockの田中里実さん。虎ノ門のオフィスにお邪魔して、代表の桐原大輔さん、エンジニアの柏木祥太さん、そして田中里実さんにお話を伺った。

CM制作費平均1億円から、300万円の時代へ

前職のP&Gでは国外にも勤務し、あらゆるクリエイターと仕事をした経験を持つマーケティング畑出身の桐原さん。そんな桐原さんが、代理店を通したCM制作という常識に変化の兆しを感じたのが、2012年のスーパーボールだった。

友達と集まって騒ぐ口実にもなっている全米の国民的イベント「スーパーボール」。このタイミングで放映されるCMの平均制作費は1億円と言われる中、2012年、フリーランスの監督が賞金総額180万円のコンテストで入賞したCM(制作費は概算300万円)が登場して話題になった。「広告業界のあり方を変え、日本のクリエイターがもっと活躍する場を提供したい」。そんな想いでRedRockを立ち上げたと言う。

RedRockはどんな仕組みなのか。それは3つのステージに分かれている。

1.アイディアステージ
2.プレゼンステージ
3.映像ステージ

プロジェクトは、大量の良いアイディア(文字)を集めるところから始まる。アイディアが採用されると、それを映像化のためのプレゼン(絵コンテ)に落とし込むプレゼンステージへと駒を進めることができる。絵コンテは、あくまで自分で映像化できる作品である必要がある。ここで選ばれたクリエイターには、映像制作のための制作準備金が前もって支給されるからだ。

「徐々に動画を見かけるようになってきましたが、まだまだバズ重視のものが多く、製品名やブランドがきちんと認知されるようなものは多くありません。見る価値がある面白さと、企業のマーケテイング戦略上で伝えるべきメッセージがきちんと伝わる。そんな動画広告を目指しています」

マーケティングの戦略コンサルから制作までをワンストップで

「広告はビジネス上の課題を解決すべき」だと考えるRedRockでは、戦略コンサルティングも提供している。一言で広告と言っても、その目的は多岐にわたる。それは競合との差別化かもしれないし、購買の最後の一押しかもしれない。視聴者に刺さるメッセージの設計から立案していく、戦略立案→制作→配信までをワンストップで提供する点が特徴だ。

また、動画広告の配信ソリューションである「オムニバス」との提携によって、複数広告の定量調査やABテストなども実施可能だ。制作予算を複数の広告制作に分散させて、PDCAを回す。これによって最良のCMにたどり着くことができる。

Panasonicのウェブサイトや店頭で流れる予定のリフレシリーズのCMは、消費者調査の分析から行ったプロジェクト。忙しく時間がない女性を対象に、「ながらリフレッシュ」のマッサージを提案している。プロジェクトには87件のアイディアが集まり、その中から5件を採用。絵コンテのコンテストで14件の応募が集まり、最終的に2つが映像化された。この全てのプロセスが、わずか2ヶ月という期間で行われた。

「コンテストのビジネスをやるので、ロゴ、会社名、名刺もクラウドソーシングを使って募集しました。100案以上集まると、その中にキラリと光るものがあるという感覚値があります。その中の1〜3本は、大手の広告代理店の方が提案してくるようなレベルです。RedRockでも、まずは広くアイディアを集めるところから仕組み化しています」

ファウンディングチームは、マーケティング出身者

虎ノ門のオフィスは、同社に出資するフラッシュバックジャパンのオフィスを間借りしている。創業27年のフラッシュバックジャパンは、ニッチ向けの映像制作ソフトのプラグインの販売も手掛ける。その既存の4万人のクリエイターというネットワークにリーチすることで、RedRockには実力のあるクリエイターが集まっている。

動画は、今最も注目される分野の一つ。低予算で動画を制作するようなサービスは出回っているが、クラウドの集合知を活用しながら、戦略コンサルを強みとするサービスは新しいかもしれない。RedRockの今後について、桐原さんはこう話す。

「サービスへの信頼を寄せてくださるクライアントが増えているので、引き続き、丁寧に一本一本の動画CMを作っていきたいです。まず目指すは、動画広告としての実績件数を年内に20本まで増やすことです」

代表の桐原さんと、田中さん共にマーケティング出身者。マーケテイング出身者がファウンディングチームというのは、日本ではあまり聞かない。まだリリースから半年足らず。彼らがどんな風にサービスの駒を進めていくのか、まずは見守りたい。