写真共有プラットフォームのCoolirisが、新アプリ「BeamIt」でプライベート・メッセージング分野に参入

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BeamIt-iPad-and-iPhone1

メッセージングアプリ、写真共有アプリの世界で起きていることを、筆者は自分なりに3つくらいのカテゴリに整理している。

  1. Snapchat 系の自然消滅系画像・動画アプリ…今月リリースされたプライムアゲインの「winker」などはこれに近い。
  2. BetweenPairy 系の相手限定系アプリ…旧来のソーシャル・ネットワークでは管理しづらい送信相手を限定したメッセージング。
  3. デコレーション系…以前からあるスタンプや画像加工ができる写真アプリに加え、これをメッセージングやチャットに拡大した事例としては、Cinammon の PicChat などが挙げられるだろう。

おそらく、この3つのどれにも当てはまらない写真共有アプリを作っているとしたら、そのスタートアップは革新的か、トレンドを見誤っているかのどちらかだろう(個人的には前者に期待している)。

長年にわたって写真共有の世界でプレゼンスを築いてきた、シリコンバレーの Cooliris がこの分野に参入だ。同社は今日未明、写真付きメッセージングアプリ「BeamIt」をローンチした。このアプリが目指す方向性は、上記のカテゴリで言えば、1. と 2. の間くらいだろうか。

BeamIt-Photo-drawers同社のアプリは UI を追求したものが多いため、その独特の使用感を言葉で説明するのはいつも難しいのだが、一言で言えば、誰かとのメッセージのやりとりを中断することなく、シームレスに写真が共有できることが最大の特徴だ。

Photo Drawers という機能により、スマートフォン画面を横にスワイプするだけで、数百枚の写真をフル画質で相手と共有できる。軽快なUI と必要なファイル転送量を考えると、バックエンドでは相応に高度な技術を実装していることは容易に想像できるだろう。また、アプリ内にグループを作成し、共有したい写真のプライバシー管理が可能だ。酒の席などで勢い余って共有してしまった写真なども、メッセージのやりとりの中から簡単に削除することができる。

さらに日本ではあまり需要がないかもしれないが、通信量を節約する観点から、このアプリはオフラインの状態でも写真の編集などの基本動作が可能だ。共有するときだけネットワークにつなげばよいので、青天井の料金プランの少ないヨーロッパのユーザや、ローミングせずに旅先の WiFi 接続でスマートフォンを使う国際旅行者には便利な機能だ。

現在 BeamIt は iPhone と iPad 向けに iOS 版のみがリリースされており、ウェブ版と Android 版も目下開発中とのことだ。UI重視で攻めて来た Cooliris がメッセージング・アプリの分野でもシェアを伸ばすことができるか楽しみである。

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