6月8日、Skyland Venturesによるシード・アーリースタートアップ向けの勉強会イベント「STARTUP SCHOOL」で語られた、MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏(株式会社表記はTHE BRIDGEでは取ることで統一してます)による資金調達の実体験が興味深かったのでご紹介したい。
MUGENUPはこれまでにシード、シリーズA、シリーズBと3度の資金調達を実施、各ステージの調達に必要なポイントや調達後について語ってくれた。
「投資家からはシリーズAではスケールするモデルかどうかを、シリーズBではモデルが確立し、あとはお金でスケール出来る状態になっているかどうかを求められます。それぞれのシリーズで適切な対策を立てることが、資金調達の成立に繋がります」(一岡氏)。
同氏はシリーズBでは、『(売り上げ最重要KPI-KPI調達コスト)×制約条件達成率=利益』の式に当てはめ説明した。そのシンプルな式に合わせて事業をみることができるかどうかが重要と指摘、シリーズBの段階では、規模を拡大する最速の投資が求められ、KPI調達の投資が必要となるため、Chief Marketing Officer(CMO)の存在が必要になってくる、と説明した。
「お金は調達するよりも使う方が大変なんです。資金を使うべきときに使うことは大事ですが、なかなか難しい。上場するまでは赤字でもいいので、資金を使いきることの方が重要です。事業に投資する意思決定が遅れることが、事業のスピードに対して致命的なボトルネックになってしまいます」(一岡氏)。
さらに同氏によると、スタートアップは人件費を事業計画に入れているが、「人材獲得費用」を忘れがちだという。人材エージェントや採用媒体などにかかる人材獲得費用は思った以上に大きくのしかかるため、必ず計画しておくことが重要とのことだ。
また採用が遅れることで工数が足りず、結果予想していた投資タイミングが遅れると、大手や競合の参入リスクが上がるため、なるべく早く人事担当者(CHO)をいれることが重要だとも語っていた。
(Photos by Skyland Ventures)
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待