Google Playに代われるか——モバイルアプリのレコメンドアプリ「Xyo(サイオ)」が日本市場向けにローンチ

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今から一年程前、ベルリンのスタートアップ Xyo(サイオ)が開発した、モバイルアプリのレコメンドアプリ「Apps for Me」を紹介した。モバイルアプリのレコメンドエンジンなのに、デスクトップからしかアプリを検索できないことにいささか不便を感じていたが、それがようやく解消されるようだ。

Xyo は18日、Android 版のモバイルアプリのレコメンドアプリ「Xyo – free app search」をローンチした。これを使うことで、Android ユーザはアプリの名前等を入力して検索する必要が無くなり、一方ユーザが求めるアプリを独自の分析アルゴリズムを使ってレコメンドし、ダウンロード/インストールを促す。

このツールでは、既に端末内にインストール済のアプリ、現在地、ユーザの関心、携帯電話会社、アプリ紹介メディアなどから入手できる400もの〝シグナル〟をもとに、ユーザが求めているであろうアプリを分析する。アプリ・デベロッパにとって、自社のアプリが人気を集めるには、メディアに取り上げられるか、アプリストアのトップページにフィーチャーされるくらいしか方法が無かったが、Xyo のレコメンドアプリの登場によって、アプリ市場のロングテール化がさらに促されるだろう。

同社は既にドイツテレコムとアプリ検索に関わる提携を結んでおり、世界進出に向けて、まずはアジア市場、中でも日本市場を最初のローンチ場所に選んだ。

Matthäus Krzykowski
Matthäus Krzykowski

私達が日本を最初のローンチ市場に選んだのは、ここには既にたくさんの顧客がいるから。

そして、アプリストア外でのアプリ検索が増えてきていることが理由です。

まずアジア市場を魅了できれば、世界の国々は後からついて来る。Xyo はこのような考えに基づいて決断しました。(Xyoの共同創業者 Matthäus Krzykowski 氏)

彼らのビジネスモデルは、このレコメンドアプリのパートナー企業に対するライセンス料収入がベースだ。携帯電話会社、携帯デバイスメーカーと提携し、端末販売段階で Xyo をインストールしておくようにするのだ。Android 向けのアプリストアは複数あるものの、Google Play が圧倒的優位を誇るのは言うまでもない。しかし、携帯電話会社やデバイスメーカーは、土管ビジネスと称される現状を脱却すべく、アプリ市場での覇権獲得を模索しており、ユーザにとって、より操作が容易なアプリ検索手段として Xyo を採用したいと考える企業は少なくないかもしれない。

時間の制約で日本語には訳さなかったのだが、先月末、Xyo を含むドイツのスタートアップ5社が、リクルート・テクノロジーズの招きで東京を訪問したことを記事に書いた。この機会以外にも Xyo の経営陣は頻繁に東京を訪問し、日本の携帯電話会社やアプリ関連メディア各社と協議を進めているようなので、今後さらなるサービス展開が期待できるだろう。

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