KAIZENが創業特区福岡市でクリエイティブ人材育成ネットワークを開始 #bdash

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本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。

以前聞いていたこの計画が実際に動き出したようだ。

ウェブサービスのUI改良をオンラインツールとクラウドソーシングで「改善」するplanBCD運営のKAIZEN platform Inc.(以下、KAIZEN)は7月17日、福岡市内IT企業と共同でクリエイティブ人材の育成、雇用を目的としたグロースハックネットワークを開始すると発表した。

福岡グロースハックネットワークに参加する企業は、KAIZENが請け負っているグロースハック案件(主にA/Bテストを活用したウェブサイトのコンバージョン改善)の業務提供を通じて実践的なクリエイティブ人材の育成を実施する。また、通常の案件として請け負うため、雇用や創業の拡大にも寄与するとしている。

業務は同社が提供するオンラインプラットフォーム「planBCD」から提供されるが、それ以外にもヤフーが有償で提供する制作環境の「Yahoo!クリエイティブスタジオ」も採用される。

同ネットワークはこの取組みを通じて年間1000名以上の人材を育成、100人の新規雇用、10社程度の福岡市内での新規創業を目指すとし、この業務推進を目的とした法人の設立も予定している。

また同連携は創業特区福岡市での設立となり、現在具体的な内容を検討中の規制緩和に関する要望や情報提供、環境整備などについて連携していくとしている。

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この件については現在福岡で開催中のB Dash Campに登壇した福岡市市長の高島宗一郎氏も「福岡市内の11社と人材の育成と創業を作っていく。民民で取り組むものとしては初。日本が再興していくためにはベンチャー支援が必要。福岡から新しい価値を生み出していければと思っている」とこの新たな特区プロジェクトについて言及した。

同ネットワークに参加する福岡市拠点の企業は次の通り。その他、賛同企業としてアサツー ディ・ケイ、百戦錬磨、ヤフーが参加を表明している。

  • アンダス株式会社
  • インテリジェントレーベル
  • エニセンス
  • クリエイティブセンター福岡
  • ディーゼロ
  • デジタルハリウッド福岡校
  • ドットイメージ
  • ハイスコア
  • ペンシル
  • 特定非営利活動法人AIP
  • KAIZEN platform Inc.
  • MT-Design

グロースハッカーを地方から「クラウドソーシング」する計画の第一歩

冒頭の通り、今年3月末にKAIZENが500万ドルの資金調達を発表した際、 共同創業者兼CEOの須藤憲司氏が計画中として教えてくれたプランがこれだった。

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須藤氏に話を聞いたが、やはり3月の状況と特に大きく変化しているわけではなく、このグロースハックに携われる技術力のある人材はまだまだ少ない。改善案件はあるのにそれをこなせない、という状況なのだ。

KAIZENの案件はオンラインで実施できるので、クラウドソーシング、つまり場所を選ばない働き方が実現できる。この利点を最大限に活かし、仕事の需給バランスがくずれた地方に実際の案件を提供し、実践を通じて人材の育成をする方法は合理的に思える。

実はこの計画を推進する小川淳氏は、須藤氏らと前職のグーグル時代からこのようなアイデアに取り組んでいたのだそうだ。

「地方にあるIT系の仕事というのは、単に地方の方が料金が安いからという理由だけでキーパンチやキーワード抽出、コールセンターのようなものが多いのが事実です。しかしネットというのは本来新しい働き方を提示できるはずなんです。

いいクリエイティブ仕事をすれば、普通に東京と同じ料金を取って福岡や他の都市にいる人たちに業務を発注できる。パフォーマンスに対して支払われるべきなんです」(小川氏)。

これはクラウドソーシング、新しい働き方の理想像のひとつでもある。もちろん壁は多くあるだろうが、それを乗り越えてこの動きを全国に広げてもらいたい。

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