
本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。
ハイブランドに特化したマーケットプレース「RECLO(リクロ)」を展開するアクティブソナーは7月17日、同サービスのiOSアプリを公開した。iOS7以上に対応しており、アプリ自体の利用は無料。また、これに合わせて4月9日の公開から約3カ月で獲得ユーザー数が5万人に到達、さらに出品数も1000点を超えたと本誌に教えてくれた。
RECLOはハイブランドに特化したマーケットプレースサービス。不要なブランド品を所有しているユーザーが出品すると、運営側で検品して査定、結果を通知してくれる。出品者が承認すると委託販売形式でRECLOに出品される仕組み。販売が成立すれば最大で販売代金の70%が出品者に還元される。


買い手は通常のコマースのようにRECLOから購入することになるので、一般的なC2Cのように出品者と直接やりとりすることはない。またブランド品にありがちな偽物などの保証も運営側で担保している。
なお、公開されたiPhoneアプリでは、写真を撮ってアップするだけでアイテムの想定価格が表示される機能などが追加されている。
スマホシフトで拡大する「ハイブランド委託販売モデル」の可能性
さて、いわゆる激戦が続くフリマアプリとはまた違ったプレーヤーだが、スマホシフトの波を上手く掴んでいるプレーヤーだという印象がある。アクティブソナー代表取締役の青木康時氏はRECLO以前にもいくつかの事業を手がける実業家でもあり、事業経験は豊富だ。
丁度、福岡で開催中のB Dash Campに登壇予定だったので、サービスの状況や今後の展望などを聞いてきた。(質問は全て筆者、敬称略)
現在、出品数が1000点を超えたということでしたが、どうやってユーザーは出品をしてくれるようになったのでしょうか
青木:最初は一般の消費者からの出品はあまり期待せず、商品を扱う事業者などに頼っていました。でも、出品してから10分で買い手が付くような状況もあって、徐々に出品訴求に繋がっていったのではと思います。今回のiPhoneアプリ公開で査定に出しやすくなったのでさらに伸びることを期待しています。
なるほど。ただ、やはり数万円もする高額商品をオンラインだけ、しかもこのスマホで購入するのはやはり怖い部分もありますよね
青木:もちろん、買う側にとってはただのコマースなので100%正規品を保証していますし、売る側には本人確認をして、鑑定人が厳しくチェックしますので問題があれば商品ごとに追跡可能になっています。ただ、商品の状態などについてはやはり不安もあるでしょうから、実は今、ショップと連携して実際の状態をみれるようにする計画も準備中なんです。
高額商品でも委託販売がスマートフォンでやりやすくなった、という状況は理解できたのですが、これはこの先、どのような変化をもたらしてくれるのでしょうか。
青木:現在、世の中で中古品を販売している事業者の方々はある相場に従って売買をしています。いわゆる質屋さんや裏側のオークション市場の取引実績情報です。この相場表というのはファックスで送られてくるようなアナログなもので、決して全てが適切な取引とは言えません。
胴元が儲からない相場表はないですからね
青木:このクローズドな二次流通の相場をよりオープンな状態に持っていくのが狙いのひとつです。ある調査では15兆円ぐらいの規模でこのブランド品が「タンスの肥やし」として眠っているんです。この流通をもっと活性化させたい。
ブランドの中古品相場を新しく作る、というイメージですか
青木:ブランド品って世界中に作られた数はある程度決まっていて、そのデータ、つまり今どこの誰がそれを持っている、という情報を掴もうと思えばできるようになるんですね。
今回提供を開始したウィッシュリストは運営側で探してあげる、というものですが、これってその人の「欲しい」という情報を持つことになるわけですよね。こういった細かいデータを積み上げて、ユーザーにとって適切な相場を作ることは可能なんです。
なるほど。登壇前の時間にありがとうございました。また情報お待ちしております。
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