「車に付ける健康デバイス」スマートドライブが8月から実証実験を開始へ

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SmartDrive

2月にお伝えしたステルス・スタートアップがお披露目の日を迎えた。

車載デバイスとスマートフォンアプリで「車ログ」を管理できる「スマートドライブ」は7月15日、提供サービスの概要を公開すると共に、8月から実際の車に装着して1カ月間の実証実験を開始すると発表した。今回同社が実証実験の地に選んだ「柏の葉スマートシティ」は三井不動産が中心となって開発を進める次世代都市地区。

実験は同地区に居住する約20名を対象にスマートドライブの端末を提供し、期間中の車両状態や運転ログの確認を実施する。取得したデータはテストに参加した対象者に提供される他、スマートドライブの今後の開発改善に使用される予定。

車のログを管理する「健康管理アクセサリ」

さて、本題に入ろう。スマートドライブとは一体なんなのか。

使うのは専用の端末とスマートフォンアプリの二つだ。まず、提供される端末を車についている整備用ポート(OBD-II、以下、OBD)に差し込み、bluetoothによって「車とアプリ」を接続させる。このODBポートからは車に残されるデータ(走行状態や燃費、エンジン状態など)を取得することができるので、アプリ側でこれらを解析して表示させる。人間でいえば、FitbitやNikeのFuelbandのようなものと思えば分かりやすいかもしれない。

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このOBDポートを活用した端末やサービスは歴史も古く、元々車の整備士がメンテナンスをするために専用の端末を接続して使う、というところから始まっている。スマートフォンアプリやWifi、bluetoothなどの環境が整った背景からこれらが進化し、例えばY Combinator出身Automatic(2013年創業)や、サイバーエージェントが出資しているニューヨーク・スタートアップのDash Labs(2012年6月創業)などがやはり同様のスタートアップとして知られている。またkickstarterにもちらほら類似端末を見つけられる。

では次に、スマートドライブはこの端末を販売するだけのシンプルなビジネスモデルを考えているのだろうか。もちろんその答えは否だ。

車ログというビッグデータを活用したビジネス

ヒントはビッグデータにある。まだはっきりとこのモデルが決まっているわけではないが、ひとつのアイデアとしてスマートドライブ代表取締役の北川烈氏が教えてくれたのがBtoBtoCの考え方だった。

例えば保険会社や車のディーラーといった直接車に乗っているユーザーを対象にした事業者にこのサービスを提供し、ユーザーのログを取りやすくすれば、車の故障状況を把握して保険を安くしたり、アフターフォローに使うことができる。

つまり、顧客をより細やかにトラッキングできる、という具合だ。このモデルは実は事例もあって、米の保険会社ProgressiveがやはりOBDを使った「SnapShot」という端末を配布することで実際に運用をしている。

さらに多くの車のログデータが集まれば、このような形で様々なビジネスモデルを検討することができるようになるだろう。対象となる車も自家用車だけでなく、タクシーやトラックなどの商用車も含めて考えればアイデアの範囲は広い。

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話だけ聞けばなかなか興味深いサービスだと思うが、やはり壁は高い。例えば保険会社がこのモデルを踏襲して導入を進めるとして、まずはこの端末を幅広く導入してもらうためにも、安全性が担保されていなければならない。ハードウェア関連に詳しい(THE BRIDGEには記事も提供してもらっている)岡島康憲氏によれば、このポートを活用して車を止めてしまう操作も可能だという。

この点について北川氏はこのように説明してくれた。

「そもそもOBDのポートからは敢えて全ての情報(車を停止させるような操作系情報)を取らないように機能自体持たせていません。また、1000ぐらいのアラートが取れますが、それもアプリ側で10ぐらいに絞って表示させています。今後、サービスがアップデートされることで徐々に情報量を増やす予定です」

現在は製品化に向けて、耐久テストなどを重ねているというスマートドライブ。実際に稼働する時期にまた続報をお届けしたいと思う。

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