アクティビティに関するガイド情報、予約、販売サイトの数が近年増加している。本誌でも「あそびゅー」や「PlayLife」、「TRIP」といったサービスをこれまでにも紹介してきた。数あるアクティビティに関するサービスの中に、10周年を迎えた「そとあそび」というアウトドアレジャーの予約サイトがある。
山本貴義氏が1人で立ち上げたサービスだった「そとあそび」は、今年の2月に元ガイアックスの中島裕氏が参加し、代表取締役社長に就任。有限会社だった運営母体を株式会社化して資本を増強、人も雇用して最近サイトをリニューアルした。
サイトも体制も新しくし、新たなスタートをきった「そとあそび」について、中島氏と山本氏に話を伺った。
1人でスタートした「そとあそび」
「そとあそび」を立ち上げた山本氏は、自身もアウトドア好き。自分がお客さんとしてアウトドアレジャーに関わる中で、次第に知り合いのアウトドアレジャーのガイドを手伝うようになっていったという。
山本氏「トレッキングやラフティングといったアウトドアレジャーのガイドの手伝いをしていました。実際にアウトドアレジャーに参加するお客さんと話をしていると、テレビで紹介されたのを見た、などふとしたきっかけで参加している人が多かったんです。
10年前はアウドドアに関心を持つきっかけはいくつかあったにも関わらず、業者はなかなか対応ができていなかった。この乖離を埋めることができれば、自分が好きなアウトドアレジャーという業界を盛り上げることができるのでは、そう思って「そとあそび」を立ち上げました。」
キュレーションにこだわってきた10年

「そとあそび」は山本氏が知り合いに頼んでサイトを立ち上げ、そのまま運営を続けてきたサイトだった。中島氏は「コンテンツはいいのにサイトデザインがもったいない」と考えていたという。
山本氏「とにかく掲載するアウトドアレジャーの数を増やそうとするのではなく、厳選を心がけてきました。「そとあそび」に掲載されるレジャーは質が高く、業者側が「そとあそび」のブランドに入れるよう、良い商品を作るために頑張ってもらう、そんなサイトになるよう心がけてきました。」
サイトを立ち上げた当時から、キュレーションにこだわり続けてきた山本氏。「そとあそび」に掲載するに足る商品となっていないレジャーについても、業者の商品づくりをコンサルすることなどを通じて、良いレジャーコンテンツとするための手助けを行ってきた。
山本氏「良いコンテンツが生まれるようになって、もっとアウトドアレジャーを体験する人たちが増えてほしい。業界自体を変えていく流れを作りたい、そう思って続けてきました。」
アウトドアレジャーを体験してもらいたい
中島氏「コンテンツの質にこだわっている他、初心者が気軽にアウトドア活動をレジャーとして楽しむことができること、旅のメインコンテンツになる体験を提供することなどを「そとあそび」ではコンセプトにしています。」
アウトドアレジャーを経験したことがない人が、初めて体験したときに楽しむことができるよう、様々な工夫を行っている。これはサイト自体の工夫ではなく、掲載するアウトドアレジャーの商品を、業者と一緒にブラッシュアップするというものだ。
山本氏「ガイド付きのレジャーだけに特化していたり、体験に必要な道具などもレンタルできるよう業者側で揃えてもらうなど、初心者が体験するハードルをできるかぎり下げ、体験してもらったときに楽しんでもらうことができるレジャーコンテンツとなるようにアドバイスを行っています。」
中島氏「これまで「そとあそび」はコンテンツは良いけれど、人に知られていませんでした。ウェブの改善が止まっていましたが、私が事業を見る人間として入り、開発の人間も入った。これからより多くの人にリーチしていくために仕掛けていきます。」
掲載する商品の質に高いこだわりを持ち、商品を共に考える「そとあそび」。その積み重ねにより、同サービスは業者からも信頼を獲得しているという。筆者はこれこそがキュレーションなのではないか、と両者に話を聞きながら考えていた。
「そとあそび」はデザインやモバイル対応については後発だが、高いコンテンツ力があればこれからでも巻き返しが図れるのではないだろうか。他のアウドドアレジャーサービスとは異なるアプローチをとる同サービスが今後どのようになっていくのか、注目したい。
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