「選択肢としてのクラウドソーシング」を普及させたいーー隠れたキーマンを調べるお・ランサーズ根岸氏

by OshibaTakanori OshibaTakanori on 2014.7.19

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

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クラウドソーシングを国内の黎明期に立ち上げたランサーズ昨年には約3億円の資金調達をし、創業以来活動していた鎌倉から渋谷に移転、さらなる注目を浴びています。同社代表取締役の秋好陽介氏を主に事業面で支え、先日、取締役 CMO 兼 サービス企画部 部長に就任した根岸泰之氏をインタビューしました。

「自分は日本語ができる」のでフリーライターに

大柴:今日はよろしくお願いします。

根岸:よろしくお願いします。

大柴:根岸さんはランサーズにいつ頃参画されたのですか?

根岸:去年の4月です。

大柴:じゃあまだ会社が鎌倉にあった時ですね。

根岸:そうなんです。何度か鎌倉に行って、秋好とコミュニケーションとりまして、入社することになりました。

大柴:秋好さんの第一印象はどうでした?

根岸:「若いなぁ」って(笑)。今まで会ってきた社長ってみんな年上ばかりだったので。

大柴:なるほど。秋好さんのお話は後ほど改めて伺うとして、まずは根岸さんのご経歴をざっくりと伺えればと。

根岸:数年前に、オーストラリアに行きました。その後、日本で同世代が就職活動を始めるのを見て焦り始めたんですよ。「このままじゃヤバい」って。

大柴:僕も同じような状況でした。あれ、焦りますよね(笑)。

根岸:はい(笑)。それで自分に何ができるだろう?って考えたんですが、「私は、日本語が強みだ」って結論に達して、フリーライターになろうと思いました。

大柴:すごい(笑)。

根岸:いろんな人にアプローチして、とあるフリーライターの弟子になったんです。業界では、有名な方で、オールジャンルでライターの経験を積むことができました。

大柴:へぇー。どんな記事を書いてたんですか?

根岸:大手外資企業の公式HPのコンテンツや、ライフスタイル誌、エンターテイメント誌を多くやっていました。中には、初心者ゲーマーとして、とあるゲームを「やってみた」的な企画などもありました。

大柴:その後に転職してエンジャパンに。

根岸:はい。それまで多種多様な文章を書いてきたんですが、読んだ人がどう思ったのか、その反応がわからなかった。でもインターネットの媒体で書けば、そのリアクションや効果がわかるんです。それで転職しました。最初は、求人広告の文章を書いていました。

大柴:なるほど。

根岸:ちょうど会社が急成長している時期でした。そんな中、マーケティングの担当に選ばれまして。

大柴:ライティング業務がメインだった根岸さんが選ばれた理由は何だったんですかね?

根岸:サービス全体を見ていた役員が元々コピーライターということもあり、同じような視点でサービスを見れたのかもしれません。ライター目線でのマーケティングといいますか。

大柴:根岸さんの本来持っている能力を見抜いたのかもしれませんね。具体的にどんなことをされていたのですか?

根岸:広告全般にSEOなども見ていました。

大柴:幅広いですね。

根岸:はい。いろいろと経験することができました。

働き方の変化を感じ、人材業界からランサーズに

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大柴:エンジャパンには約10年いらっしゃったそうですが、それだけ長く働いた会社を辞めてランサーズに転職した理由あたりをお聞かせください。

根岸:エンジャパンで過ごしていた時にリーマンショックが起こりました。景気が減速する中で、これまで以上に「効果重視」に世の中がシフトしていきました。そんな中、会社でもサイトをしっかりと分析し、より効果の高いサービスに改善する必要があるなと感じ、新しく部門を立ち上げました。

大柴:なるほど。

根岸:大手他社と差別化したプロモーション戦略を展開し、厳しい状況でも同社の過去最高売り上げをチームで達成できた。そして、3年かけてメンバーも育ってきた。そうやって、後任がちゃんと確立したら彼らのためにも、自分は次のステージに行こうと考えていました。

大柴:任せられるチームに育ったんですね。そしてランサーズに転職します。

根岸:はい。人材ビジネスをずっとやっていく中で、世の中の会社の中が変わっていったのを実感しました。

正社員、終身雇用というのが日本ではスタンダードの考え方でしたが、それがバブル後に派遣やバイトなどを組み合わせた雇用になっていきました。さらにそれがプロジェクト単位でのアサインみたいな形になっていくところもあり、変化を感じていました。

大柴:なるほど。

根岸:組織は小規模で筋肉質なものになり、最低役職者が部長とか、そういった時代になるのかなと感じていました。アウトソーシングやクラウドソーシングを活用して事業を運営していく。そういう流れが確実に存在しました。この分野はビジネス的に大きくなっていきそうだなと。そんな中、秋好に出会いました。

大柴:すぐにランサーズへの転職を決めたのですか?

根岸:いや、(秋好さんに会ってから)3ヶ月くらい経ってからです。働き方の変化を感じていたことや、秋好の考えなど、総合的に考えて決めました。自分が持っているスキルや経験も活かせると考えました。

大柴:なるほど。秋好さんの第一印象は「若い」でしたね。

根岸:はい。今まで会ってきた経営者はもっと年上でしたし、若くても40代。当時秋好は30代前半。とても若く感じました。しかし、2008年から日本で初めてクラウドソーシングをやってきた経験もあるし、何より会社を5年も経営している。すごいなぁ、苦労してるんだろうなぁって。

大柴:会社の中での秋好さんってどんな感じなのですか?

根岸:社長って地位にありながら、チームという意識が強いですね。間違ってもトップダウンはしない。もちろん社長として先頭をきって走っていくんだけど、チームプレイを意識されてますね。最初に会った時も今も変わらず、そういう印象です。

大柴:そうなんですね。

根岸:人材業界にずっといたので、いろんな会社を見てきたのですが、個人的な感想としてはトップダウンは属人的なので、組織を大きくしていく上ではよくない。なので、秋好のやり方は長い目で見ると良いと思っています。

大柴:なるほどですね。ちなみに根岸さんはどんな業務をされているのですか?

根岸:自分の専門領域はWebマーケティング。ランサーズでは、秋好が一人でほとんどのマーケティング業務をやっていたので、まずはその辺を自身が巻き取りました。次第にマネジメントもするように。サービス全般を見て、マネジメントしている感じです。

新しい働き方を作って、日本を飛び出したい

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大柴:クラウドソーシングという分野はとても注目されていますね。

根岸:労働人口が減っている中で、シニア層や女性などがもっと活躍できる場を提供する事ができるのがクラウドソーシングです。クラウドソーシングだから日本社会に貢献できると思っています。とても意義のある仕事だと感じています。

大柴:そうですね。

根岸:あとは、若者に対しての選択肢としてクラウドソーシングというものを普及させたい想いもあります。就職マーケットは次第に縮小していくと思うんです。企業はより即戦力になりうる人材を求めるようになると。

そんな時代において、就職前にスキルを磨く場所としてクラウドソーシングを活用していってもらいたいなと思うんです。それによって課題の一部は解決できると考えています。

大柴:なるほど。確かにそういう面でもクラウドソーシングの可能性はありそうですね。

根岸:はい。ランサーズは、クラウドソーシング業界の開拓者であり、業界のリーダーです。そのプライドを持って、人々の幸せに貢献できるクラウドソーシングの可能性を追求していきたいと考えています。

大柴:頑張ってください!最後に根岸さん個人の夢などをお聞かせ頂ければと。

根岸:新しい働き方を日本に広げ、多くの人の幸せに貢献したいです。それができたら、私自身も、家族と共に日本を飛び出し、時間や場所にとらわれず働けたらと考えています。特に、自然豊かなオーストラリアに住んでみたいです。また、そんな夢を多くの方に実現していただくのが私の夢です。

大柴:なるほど。今日はいろいろお話を伺えました。ありがとうございました!

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