イグニスのインターンシップから誕生し、総合ランキング2位を獲得した相手との心理的距離を分析する「チャット分析 for LINE」

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Daisuke-Yamaguchi
「チャット分析 for LINE」を企画した山口大介さん

7月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したアプリの企画・制作会社「イグニス」。先日、恵比寿にあるイグニスのオフィスにお邪魔する機会がありました。

「小さく産んで大きく育てる」というものづくりの方針のもと、平均2週間から1ヶ月の開発期間でアプリを立ち上げる同社。プロデューサーからエンジニアまでが半年間に10本程度のアプリ開発を行う究極のOJTを実践しています。全アプリの総ダウンロード数は5,000万を超えるほど。

46万ダウンロード、総合ランキング2位を獲得

そんなイグニスから今年7月に誕生したのが、iPhoneアプリ「チャット分析 for LINE」。同社のインターンシップを通じてアプリを手掛けたのは、中央大学を卒業したばかりの22歳の山口大介さん。App Storeの総合ランキングで2位を獲得し、46万ダウンロードを突破しています。

山口さんがLINEを使ったチャット分析アプリのアイディアを思いついたのは、自身が経験した失恋がきっかけだったそう。

「ちょっと恥ずかしいんですけど、大学在学中に片思いだった女の子とLINEでやり取りしていました。ある時まで楽しくチャットをしていたんですが、ある時ふと気づいたら、自分ばかり積極的にアプローチしていることに気がついて。徐々に彼女からのレスが遅くなりました。何か悪いことをしたかな?って自分の過去のレスを読み返している時に、チャット分析のアイディアを思いつきました」

片思いしている時が一番楽しいなんて言ったりするものの、いざ片思いをしてみるとちょっとしたことが気になるもの。相手から返信が来るまでの時間をみてみたり、一言返事が増えているな…なんてことが気になったり。過去のやり取りから、相手との関係性を調べてくれるアプリがあれば…と思ったのが始まりでした。

チャット分析のアイディアを形にする手段を模索したところ、イグニスの「本気でアプリストア 1位を目指す」インターンシッププログラムを知り、応募。見事にアイディアが採用され、わずか2週間ほどの期間をかけて「チャット分析 for LINE」が誕生しました。

きっかけは失恋、でも恋愛要素はほどほどに

chat-bunseki-appチャット分析 for LINEは、特定の相手との過去のチャット内容を分析し、相手とのパーソナルスペース(心理的距離)を数値で表してくれます。パーソナルスペースの算出には、返信の早さ、文末につくはてなの数、メッセージ数といった情報が加味されます。お互いの距離感が近ければ近いほど、距離は短くなります。

最終的に、App Storeの総合ランキングで数週間にわたって2位を獲得するまでに育ったチャット分析アプリ。世の中には診断系のアプリがたくさん出回っていますが、今回のアプリ開発にあたって山口さんにはこだわった点がありました。

「アプリのアイディアを思いついたきっかけは恋愛でしたが、広く活用してもらうために敢えて恋愛要素を軽めにしました。過去のトーク履歴をきちんと解析して独自のアルゴリズムに基づいて解析する。純粋に分析することが伝わるように、アプリ名も「チャット分析」というストレートな名前にしました」

“当たってる”と感じるのか、一度ダウンロードしたユーザーは平均で5人以上の相手と診断するそう。実際にアプリを使ってみると、過去のチャット履歴をさかのぼって分析している様子が画面デザインにも反映されているなど、「待ち」の時間を苦痛に感じさせない工夫が凝らされています。

インターンシップを単なる職場体験に留めず、実際に世に出してアプリストアの頂点を目指す。昨年から2度目となる「IGNIS Summer Job 2014」は現在進行中で9月12日に終わりを迎えます。今度はどんな新しいプロダクトが生まれるのか、楽しみにしたいと思います。

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