THE BRIDGE のメディア・パートナーである Tech in Asia では、2014年9月3日〜4日、東京で初開催となるスタートアップ・カンファレンス「Startup Asia Tokyo 2014」を開催する。
この予告シリーズでは、開催日当日に向け、登壇者やイベント内アトラクションの紹介を中心に、イベントの全容をお伝えする。これまでシンガポールおよびジャカルタで、通算5回にわたって開催された Startup Asia については、ここから関連記事を閲覧できる。

3年前、私が大学を出てスタートアップを取材し始めたころ、東南アジアでEコマースと言えば、それはブログショップ(ブログを使った商品販売サイト)か、Amazon か、eBay のことだった。彼らは今日も存在するものの、以前よりもオンライン・ショッピングの世界はより多様化している。
Rocket Internet は多額を軍資金に注ぎ込み、Alibaba(阿里巴巴)はその市場の一端を牛耳りたいと考え、スタートアップは挑戦を重ね、資金力のあるウェブサイトに対抗した。
しかし、私は、このカンブリア爆発の、ほんの表面を見てきたに過ぎない。
はっきりとした原因を捉えるのは難しいが、多くの人々、とりわけ起業家が東南アジアに生活を賭け、その困難にもかかわらず、東南アジアが巨大で儲かる市場になると確信したことと、大きく関係している。
何事も黎明期について考えるには、目の前で起こっている現在を見てみればよい。2014年はスタートアップ投資が大ブームとなった。私たちは、RedMart、GrabTaxi、Luxola、aCommerce など、1,000万ドルのハードルを超える投資を多く目の当たりにしている。そして、さらなる高額に及ぶシードラウンドも起こっている。特筆すべきは、Fastacash の800万ドルの資金調達だ。
しかし、これらもまだ前哨戦に過ぎない。これらのラウンドは、一連の新手の投資ファンドが形成される前から、行われていたものだからだ。Golden Gate Ventures のアソシエイトである Justin Hall は、向こう2年間、10億ドルが東南アジアのスタートアップに投資されると考えており、彼はこれを「rise of holy shit money(仮訳:どうしようもないお金の隆盛)」と呼んでいる。インドが3年間で30億ドルを投資したと言っても、それは小さいことだが、まだ始まりに過ぎない。
VC 以外にも資金調達の方法はある。クラウドファンディングで数十万ドル、なかには、100万ドルを超える金額を調達するスタートアップも現れた。オーストラリア証取への上場も人気のある方法になりつつあるし、この点において、マレーシアの Catcha Group はパイオニアだ。
それはお金のためだけではない。エコシステムと人材もそこにあるからだ。成功した起業家の最初のグループは、エコシステムに再投資し、さらにベンチャーを始める。タイの Paul Srivorakul(関連記事)、シンガポールの Darius Cheung や Chong 兄弟らの名が頭に浮かぶ。
自らのスタートアップに忙しく時間の無い創業者たちは、他のスタートアップに投資をする。タイの Ookbee は最近、Edutech スタートアップの Taamkru に投資し、RedMart の創業者らは、男性向けEコマースブランド Edit Suits Co. を支援した。
東南アジアへの Rocket Internet の進出によって、Eコマースを成功させる方法を知る人材が東南アジアにもたらされた。彼らは概してオンライン小売の世界で注目を集めるが、あらゆる人々にメリットをもたらした。
シンガポールの Block 71 やフィリピンの Area 55 のような、スタートアップの集まる梁山泊が、どのようにして、恊働創造のクリティカル・マスを創り出しているのか、とか、他にも話したいことは尽きない。しかし、より詳しい議論は、Tech in Asia の Startup Asia Tokyo のパネリストに委ねたいと思う。
次のパネリスト達が、スタートアップ・エコシステムの真実を掘り下げてくれるだろう。
- Jungle Ventures 創業者兼マネージング・ディレクター Amit Anand
- Monk’s Hill Ventures パートナー Kuo-Yi Lim
- 楽天ベンチャーズ マネージング・パートナー Saemin Ahn
モデレータを務めるのは、Golden Gate Ventures 創業パートナー Vinnie Lauriaだ(関連記事)。カンファレンスの1日目に行われる。彼らは、現金の山の上に座る人物だ。Jungle Ventures、Monk’s Hill Ventures、Golden Gate Ventures は自らの調達に加え、シンガポール政府からもそれぞれ790万ドルずつを得ており、他方、楽天ベンチャーズは1億ドルを最近調達した。彼らは共に、東南アジアのスタートアップ投資状況を語ってくれる。
東南アジアで何が賑わっているかに興味のある投資家や、パネリストの投資家達が何を考えているかを知りたい起業家には、ぜひチェックしておきたいパネル・セッションになるだろう。
Startup Asia Tokyo 2014 の入場チケットはここから購入可能。
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【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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