中国スマートフォン業界の大手2社をどのように比較したらよいだろうか?Xiaomiの強力なインターネット・エコシステムが圧倒するのか、それともHuaweiのメーカーとしての経験が勝るのだろうか?
比較を始める前に、まだお読みでなければ以前に私たちが書いた記事「XiaomiとHuaweiがeコマースでスマートフォン市場をどのように震撼させたか」を読んでみてほしい。
Xiaomiの強み – インターネットエコシステム
Xiaomi(小米)はモバイルインターネット企業で、自社を純粋なスマートフォンメーカーだと決して位置づけていない。Xiaomiにとって、スマートフォンは巨大なインターネットエコシステムの1つのデバイスにすぎない。AppleのiOS、iTunes、App Store同様、XiaomiはAndroid上に構築されているMIUIで独自のエコシステムを作り出している。しかしながら現在のところ、MIUIはユーザインターフェイス(デザインテーマ)としては突出しているが、機能の点では大きな進化はみられない。
デザインテーマの多くを生み出しているのは「MI Fans(米粉)」という同社の強力なサポーターグループだ。MI Fansはハンガー・マーケティングの初期に形成されたファン集団で、彼らは熱心にXiaomiフォンを探し求めている。MI FansはXiaomiのクラウドソーシングの取り組みで重要な役割を果たしている。たとえば新規市場に進出する際、現地語への翻訳はMI Fansによってなされている。
また、MI Creditは同プラットフォームに貢献した際にMI Fansに与えられるトークンだ。これはデザインテーマなどのバーチャルアイテムの購入に使用できる。
Huaweiの強み – 徹底した管理
一方でHuaweiは、長期にわたるメーカーとしての力強い歴史がある。Xiaomiとは異なりHuaweiは電話製造ラインに対する管理が優れており、間違いなく良質の品質を持つ製品を作ることができる。
Huaweiが新規市場に進出する際はいつでも、注文品を発送するために現地にある倉庫やフルフィルメントセンターと協力するか、自社で立ち上げる。そのため、Xiaomi(少なくとも今のところは中国から製品を直接発送している)と比べて、フルフィルメントのスピードサービスにかけては強みがある。
以前の記事で紹介したように、HuaweiはHonorシリーズをオンライン限定で販売し、Ascendシリーズを「従来の」リアル店舗で販売している。Huaweiは間違いなくオンラインとオフライン市場の両方に参入し、双方のいいとこ取りをしているのだ。スマートフォンだからといって、みんながオンラインで買うとは限らないだろう?
ここで、これまで紹介してきた要素に加えて、XiaomiとHuaweiのガチンコ勝負をみていこう。
Xiaomi vs Huawei - セレブリティ
XiaomiはGoogleのAndroid率いるバイスプレジデントでありスポークスマンだったHugo Barra氏を迎え入れた。彼はXiaomiの国際展開に強い影響力を持つ重要なスポークスマンである。これは、あなたのサッカーチームがメッシと契約したようなものだ。
一方、Huaweiには国際的に顔が売れている魅力的なリーダーやアンバサダー、スポークスマンはいない。(もちろん、強力な中国人リーダーはいるが。)
ということで、この勝負はXiaomi 1 – 0 Huawei。
Xiaomi vs. Huawei - スピードとサービス
前述のとおり、Xiaomiは中国から製品を直接出荷しているのに対して、Huaweiは現地の倉庫を活用してオンライン販売をしている。
いずれの方法も一長一短ではある。Xiaomiは新たな国の市場に現地の物流を構築する手間なしにスピーディーに参入できるのに対し、Huaweiは需要に対してよりすばやく正確な対応が可能である。
ということでこの勝負は引き分け。Xiaomi 2 – 1 Huawei
Xiaomi vs Huawei - アフターサービス
両社のアフターサービスを詳しくみてみると、Xiaomiはマレーシアに6つのサービス拠点を構えているのに対して、Huaweiは16ヶ所ある(集配の拠点も含む)。これは、Ascendシリーズの「オフライン」販売網を活用できることも一因であるだろう。
アフターサービスに重きをおき、「ハンガーマーケティング」があまり通用しない欧米諸国へのXiaomiの参入には、疑問符がついてしまうだろう。
Xiaomi 2 – 2 Huawei
Xiaomi vs Huawei – ビジネスアプローチ
最後に大事なことであるが、Xiaomiは少なくとも私たちの見解では、スプリント走のようにビジネス展開を進めているようにみえる。彼らは国際市場のシェアとセールスを短期間で獲得しようとしているが、果たして中国人の人口がそれほど多くない国においても大きな成功を収めることができるだろうか?一方、Huaweiは大規模で長い歴史を持つ企業であり、彼らの築き上げたリソースがあれば、マラソンのような長丁場を戦う体力は間違いなくあるだろう。
どちらが最終的な勝者になるかという結論は読者のコメントに委ねることにする。しかし、この2社がスマートフォン市場で重要な役割を果たし続けることは間違いない。
全てのスライドは下から閲覧可能だが、閲覧できない場合はこちらから。
特記:この記事は、360 eCommerceの協力のおかげで記事にすることできた。
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