第10回サムライベンチャーサミットで出会った、5つの素晴らしいアイデア #SVS10

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本稿は、第10回サムライベンチャーサミットの取材の一部である。

東京のインキュベータ、サムライインキュベートが開催するショーケース・イベント Samurai Venture Summit Vol.10 (以下、SVS10 と略す)が27日(土)、東京・品川の日本マイクロソフト本社で開催された。この日、都内では SF Japan NightInfogr.am のミートアップなど複数のスタートアップ・イベントが開催されていたが、SVS10 への客足は今迄に増して多数の来場があったようだ。

例によって、SVS10 に出展していた、興味深いスタートアップのいくつかを紹介したい。

「ヤマレコ」のバーチャル登山

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山登り好きのためのオンライン・コミュニティ「ヤマレコ」が展示していたのは、ヘッドマウント・ディスプレイを用いたバーチャル登山だ。コミュニティのユーザが有名な山の山頂から360度撮影した写真を集めており、他のユーザはこの写真データをダウンロードすることで、ヘッドマウント・ディスプレイを使った頂上からの景色を擬似体験できる。

現在のところは頂上の写真のみなので、バーチャル登山というには、いささか無理があるような気もするが、Google StreetView のように登山途中経路の写真も収録し、スポーツジムなどで傾斜をつけた歩行マシンなどと共にヘッドマウント・ディスプレイを設置すれば、エクササイズ可能な擬似登山環境が実現できるだろう。

ヘッドマウント・ディスプレイのスクリーンを撮影しているので不鮮明だが、遥か彼方に富士山が見える。
ヘッドマウント・ディスプレイのスクリーンを撮影しているので不鮮明だが、遥か彼方に富士山が見える。

ZUGYUUUN!

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ソフトウェアの知識だけで、インターネットに接続可能なハードウェアが開発できるようにしようとする試みは、世界にもいくつか存在する。ロンドンの BERG もそうだし、京都のコネクトフリーなどもそうだろう。より簡単にハードウェアを開発できる可能性を追求したのが ZUGYUUN! と言えるだろう。

ハードウェア基板には Raspberry PI を採用、この基板に同社が開発した ZUGYUUUN OS の入った SDカードを挿入する。ハードウェアの動作を指示するソースコードは、HTML や JavaScript で書くことができ、このコードはユーザが予め GitHub などのレポジトリに登録しておく。ハードウェアを起動すると、Raspberry PI はクラウド上にあるユーザの ZUGYUUUN のアカウントに接続し、レポジトリ上のソースコードに基づいて動作を始めるしくみだ。

セキュリティや安定性という点では難がある。実際、SVS10 の会場も高層階であったため、モバイルを使ったインターネット接続が安定せず、ZUGYUUUN! のチームはデモに苦労していたようだ。しかし、インターネットに接続可能なハードウェアを作る上で、技術的なハードルはかなり下がる。これなら小学生が休みの自由研究などでも作れそうだ。

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Astero

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以前、韓国の beLAUNCH 2014 のピッチ・コンペティションの登壇者の中で、Notivo というスタートアップを紹介したことがある。フラッシュセール、飛行機の遅延、チケットの販売開始など、これから起きることで見逃したくない出来事を事前に登録しておくと、その出来事が起きたときに知らせてくれるアプリだ。

Astero は、まさに Notivo とコンセプトを同じくする日本版だ。エンジンが複数のニュースソースを定期的にウェブスクレイピングまたは API 経由でモニタしており、ユーザが知りたい出来事が発生するといち早く知らせてくれる。

SCUEL

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写真提供:マネレス晴山氏

SCUEL は、今月初めにローンチした医療機関/薬局などのデータベースだ。iOS/Android アプリのほか、API も公開しているため、サードパーティーのアプリ・デベロッパも SCUEL のデータを取り込んで情報活用することができる。医療大手のケアネット、フィットネスクラブのルネサンスGooヘルスケアウェルビーアンティクルウンログじんラボなど、各種の医療系ウェブサービスとも提携関係を結んだ。

筆者は仕事の都合で、世界の医療機関に関する情報の集約度をモニタする機会が度々あるのだが、日本は医療情報へのアクセスがしやすいという点では恵まれているだろう。医療機関の一覧や電話帳さえ無いという国は、世界に数多い。しかし、日本でさえ、公開されている医療情報には必ずしも最新状況が反映されていなかったり、情報がセマンテックではなかったりするため、SCUEL がハブとなり、より使いやすい形で情報を配信しようというのは興味深い試みだ。

KiSSonix

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KiSSonix は、2つのスピーカーだけで3D音響を実現することができる、音のエンコーディング・サービスだ。録音の段階で、特にステレオ録音やサラウンド録音をする必要はない。また、スピーカーも左と右に一つずつあればよく、どのメーカーのどんなスピーカーでも構わないのだそうだ。スピーカーが二つあれば、ラップトップPCでも構わない。

音を預けると KiSSonix が3D音響にエンコーディングしてくれる。担当者曰く「音を聴く人間の脳が、聴いた音を3Dとして理解するデコーダーの役割を果たす」のだそうだ。

Occulus などのヘッドマウント・ディスプレイやスマートグラスが人気を集める中で、視覚のインタラクティブ性に加えて、聴覚の3Dが求められる局面は今後増えて行くだろう。可能かどうか尋ねるのを失念してしまったのだが、ユーザがヘッドホンを装着し、向いている方向に呼応して3D音響をライブ・エンコーディングするようなことができれば、この技術の応用範囲はさらに広がるだろう。

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