編集部注:本稿は本誌でも執筆中のブロガー、archetype鈴木大貴氏のブログ「インプットをアウトプットするブログ」からの転載記事。同氏に許可を頂きこちらに掲載させてもらった。
先月に引き続き、Andreessen Horowitzの投資実績を整理してみました。8月はCrunchbaseによると5件の投資。ビッグデータ、バイラルメディア、モバイルセキュリティ、バイオ検査、ウェアラブルとそれぞれ注目の注目の領域に投資しています。それでは早速いきましょう。
Adatao(シリーズA投資)
データビジュアライゼーションツールを開発する、ビッグデータ系スタートアップ。大量のデータを扱う通信、インフラ、金融、製造業向けに、視覚化した各種データを共有できるダッシュボードを提供。編集可能なドキュメントの形式でクエリーの入力フォームと結果を表示してくれるのがパッと見新鮮な感じ。
”Data intelligence for all”を掲げているのをみると、データ分析についてリテラシーがあまり高くない複数部署の各担当者がAdatao上でデータドリブンな仕事ができる、というコンセプトだと思われます。また、AdataoのボードメンバーにMarc Andreessenが入っています。
BuzzFeed(シリーズE投資)
日本で物議を醸しているバイラルメディアの本家。日本とは異なり、大手のメディア記者を雇い調査報道や政治的なコンテンツも積極的に投稿している模様。このスライドによると、7月時点の直近月間UUは1.7億という脅威の数字を出しつつ、ネイティブ広告で年商130億ドルを稼いでいるとのこと。
先日、a16zによる単独の投資が発表されました。ちなみに、シードの段階でSoftbank Capitalが投資を実行しています。
Lookout(シリーズF投資)
マルウェアの脅威からデバイスを守るスマートフォン向けセキュリティサービスを開発。世界で約5,000万のユーザーを抱えているとのこと。サービスは個人でも利用可能でAppStore/GooglePlayで無料DL可能&プレミアム課金だが、ビジネスのメインはおそらく法人向けサービス。BYOD端末のセキュリティ管理はニーズがかなりありそうな気がします。
a16zはシリーズD、Eと今回のシリーズFで3回目の投資。ジェフ・ベゾスも個人会社経由で投資をしており、その関係かKindle向けのセキュリティサービスも提供しています。
uBiome(シリーズA投資)
日本でも遺伝子検査系のサービスが流行りだしていますが、遺伝子とは違うアプローチを取るバイオ系スタートアップです。uBiomeはあまり聞き慣れない言葉ですが体内の「マイクロバイオーム」を調査するサービス。
マイクロバイオームとは、人体に住む微生物相のことらしい。マイクロバイオームは身体に大きな影響を及ぼしており、細菌のバランスを検査することで、肥満の傾向や心臓病、糖尿病といった病気の検知に役立つのだとか。
Warable Intelligene(シード投資)
Googleグラス等のウェアラブルデバイスを活用した、業種特化型サービスを開発。
例えば、エネルギー業界では採掘現場作業者が安全にかつ適切に作業を行えるように、グラス上部に情報を表示することでサポートを行ったり、医療業界ではドクターが身に付けることで患者の状態をモニタリングし適切な処置を行うことができます。a16zと同じタイミングでGoolge VenturesやKPCBも投資実行。
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