WeChat(微信)が、見慣れたFacebook風の「いいね」ボタンをテスト運用

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WeChat(微信)は、中国のモバイルメッセージ業界の掌握、着実なeコマースへの介入、そして親会社であるTencent(騰訊)にとって戦略的に重要であることから、英語圏のメディアに大いに注目されている。しかしながら、このアプリケーションの最も見過ごされる特質は、オンラインメディアのハブとしての役割だ。報道機関や小規模ビジネス、個人ブロガーが一様にサブスクリプションアカウントから投稿できる。また、このアプリはシンプルだが効果的な「あとで読む」機能も搭載している。

だからこそ WeChat の最新のベータテストは一見の価値がある。昨日(7月23日)、中国のテックブログ 36kr(36気) は、WeChat の記事閲覧機能にいくつかの追加がなされたことを取り上げた。ユーザがニュース記事(またはブログ投稿やあらゆる形態の文書)をタップすると、記事上部に数字が表示され、その記事を閲覧した人数が明らかになるのだ。

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それと同時に、記事の下のところにある「いいね」ボタン(点“贊”)も押せる。

Tech in Asia がこの新機能について Tencent にコメントを求めたところ、同社スポークスウーマンは、この機能は現時点ではあくまでベータテスト版であるとした。しかし私たちがサブスクリプションアカウントを調べたところ、WeChat チームはこの新機能をほぼすべての投稿目的のアカウントに適用しているようだ。

WeChat はベータ版で新機能をかなり頻繁に試すようだが、これら目に見える新機能がこのままボツにならずに採用されると思えるもっともな理由がある。中国の企業はマーケティングに WeChat のサブスクリプションアカウントを利用しており、その数字を公開することは、ソーシャルメディア各社が自身と競合のコンテンツの状況比較が可能になることを意味している(もし WeChat がこの分析内容を公開しなければ、そうはいかなくなる)。

メディア業界も同じように自身の取り組みに対する人気度を査定することができようになる。さらに、軽く記事に目を通すような、例えば筆者自身や読者のような人たちが記事を見て、どれ位人気があり、どれ位の人が「いいね」と思った記事なのか即座に分かる仕掛けだ。これはなかなかクールだと思う。

もちろん、中国のソーシャルメディアということを考えると、これらの統計値は必ずしも正確というわけではないだろう。中国版 Twitter の Sina Weibo(新浪微博)は、偽のフォロワーと偽のリツイートの温床であることは有名だ。一方 WeChat もこの落とし穴から逃れられるわけではない。お気に入りのファッションブランドを検索してみれば、おそらく本物のアカウントに並んで10の偽アカウントが表示されるだろう。

そうであっても、ブランドや読者、そして私たちのようなネット市民にとって、読者数表示と「いいね」ボタンは歓迎すべき機能追加だ。

新たな機能に関して他に注目すべき点はあるだろうか?あの「いいね」ボタンのアイコンが、何故…そんなに…本家Facebookに似ているのだろうか…?

確かに、Facebookの「いいね」ボタンのように見える。が、テスト中の正式なベータ版に入っているだけで青みがかった部分に関して本当にここで議論する意味があるだろうか? それともFacebook(もしくは Roger Ebert 氏、ホモ・ハビリス、「いいね」ボタンを使っている Sina Weibo)に対してソーシャルメディアに関わるツールとしてサムズアップを広めたことに敬意を表し、そのまま放っておけばいいのだろうか?

その答えは、中国企業のいわゆる「模倣」や「コピー品」に関する記事に、どれだけ嫌気がさしているかに関係してくると思う。放っておくほうがよさそうだ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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