STORES.jpが大規模EC市場に参入ーーアドオン機能から開始

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2014.9.10

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ECはまだまだ進化する。

8月26日に経済産業省が「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」で発表した国内EC市場は11.2兆円で、前年比17.4%増と順調に拡大、一方で商取引市場規模に対するEC化率(BtoC)はで3.7%と、こちらは前年比で0.6ポイント増ながらまだまだ比率は低い。

つまり、伸びる余地はまだまだ広がっている、ということだ。

この状況を考えて彼らの戦いを眺めると大変興味深い。BASESTORES.jpだ。インスタントにコマースを開設できる手軽さから開始2年ほどの間に共に10万店舗ものオンライン・ショップを開設しまくった。ただ、STORES.jpの電撃的なスタートトゥデイ傘下入り以降、その勝負にはあまり動きがなくなってしまった。共に粛々と店舗数を重ねていた、というのが実情だろう。

しかし今日、この戦況にーーもう2社だけの話ではないがーー動きが出るかもしれない。

狼煙を上げたのはSTORES.jpだ。

インスタントにコマースを立上げられるSTORES.jpを運営するブラケットは9月10日、シンプルなコマース機能に「ワンクリック」で機能追加を可能にする「アドオン機能」を公開した。プレミアム有料会員に対して提供され、一部機能は無料会員でも利用可能としている。同社ではこれにより中規模、大規模の企業を対象とした市場に参入する、としている。

このリリースにはひとつ、明確な意思が書いてある。それは「より上位規模市場への参入」だ。ブラケット代表取締役の光本勇介氏に話を聞いてあるので、彼らの考えをお伝えしよう。

「HTMLもいじれる」ことの意味

storesjp_002今回追加されるアドオン機能の一覧を全て並べてみよう。

  • ダウンロード販売機能
  • 送料詳細設定機能
  • 英語対応機能
  • ブログパーツ機能
  • アクセス解析機能
  • メールマガジン機能
  • アイテム画像追加機能
  • 納品書PDF出力機能
  • シール機能
  • ニュース機能
  • クーポン機能
  • オーダーCSV出力機能
  • 年齢制限機能
  • レビュー機能
  • ギフトフォーム機能
  • 再入荷お知らせ機能
  • シークレット機能
  • Googleアナリティックス機能
  • トップページ機能(近日公開予定)
  • HTML編集機能(近日公開予定)

注目したいのはHTML編集機能だ。これまでBASEであろうとSTORES.jpであろうと「インスタント」を売りにしてきた。ソースコードをいじらせるなんていうのは、シンプルな思想からかけ離れる。これは従来からASPやモールでコマースを提供してきた事業者の考え方だ。

光本氏も「これまで一環してリテラシが低い方にも使えるようにしてました。リクエストはありましたけどサービスが複雑になるので、今使っている人が使えなくなる。高機能なものは作りません」と言及してきたのでこれまでのポリシーと逆走することになる。その理由がこの図だ。

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大きな流通額を持つ事業者のEC市場に殴り込み

STORES.jpとして光本氏たちブラケットのメンバーが追っている数字は「流通額」と「ストア(アカウント)数」だ。今回の施策は流通額を「圧倒的に増やす」ためのものだという。

「シンプルに言えば、(GMOペパボが運営する)カラーミーショップさんと(GMOメイクショップが運営する)MakeShopさんが主力にしている市場にも進出するということです。機能リストにはON/OFFのスイッチが付いてて、全部ONにすると彼らと同程度の機能になります」(光本氏)。

この考えに至った過程はもちろんスタートトゥデイ傘下入りが大きく影響している。光本氏によれば、ZOZOTOWNに出店しているブランド向けに提供している「STORES.jp PRO」サービス(詳細は下記ムービー参照)が好調で、流通額を大きく持った店舗、事業者でも十分に使えるという手応えを感じた結果なのだそうだ。

STORES.jp PRO 紹介ムービー from Stores.jp on Vimeo.

「ECの戦闘力というのは流通額で測られることが多く、流通を持ってる人たちはピラミッドの上の方にいる方々になります。やはり同様のサービスを提供する米Shopifyが10万店舗ほどなのですが、流通額は1600億円ぐらいで社員の数が500人ぐらいになるのです」(光本氏)。

単なるアドオンであればBASEはもう1年以上前にこの機能を公開している。大きな違いは前述の通り、明確に流通額の大きい事業体でも「使える」レベルにまで徹底的に持っていこうとしているところだ。

私は過去の受託開発時代、カラーミーやMakeShop含めていくつかのカートシステムを使った経験があるが、これらは企業から受託を受けて開発会社がそれをベースにコマースサイトを作るイメージが強い。逆にSTORES.jpなどのサービスは、事業者が担当者レベルで使える可能性がある。

実際、光本氏の話では、現在運用している事業者ではアルバイトの人がバナーの差し替えなどを実施したりしているのだという。コストの面でも外注するより安く済むのは大きなメリットになる。

ストア数も流通額も「圧倒的に」伸ばしたいという光本氏。今回は流通額に対する施策だったが、まだストア数を伸ばす案が残っている。これについては既にアイデアは聞いているので近日中に公開できると思う。

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