中国で勢いを増すWeChat(微信)のパブリックアカウント開発マーケット

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Dodocaが開発したWeChatのパブリックアカウント用アプリケーション

WeChat(微信)のパブリックアカウント用アプリケーションを開発するDodocaは本日、シリーズAラウンドで複数の中国の投資家から4000万元(約650万米ドル)の資金を調達したことを発表した。Docodaと同様のサービスを提供するWeimobは、今年7月に3000万元(約480万米ドル)の資金調達を発表している。

今年初め、また別の類似サービスWeixinhaiが1300万米ドルの資金調達を発表している。WeChatのパブリックアカウント開発という新興市場で、今後さらなる資金調達合戦が繰り広げられても不思議ではない。

WeChatはあらゆる事業や組織が、WeChatパブリックアカウントシステムを使用したり自身のアカウントにカスタム機能を開発できるよう一連のAPIやサービスをリリースした。リリース後数日間、WeChatは中国版TwitterのWeiboのようなソーシャルマーケティングチャネル程度にしか見えなかったが、それらのAPI及びサービスによりモバイル決済といった機能が可能となり、WeChatの独自路線がより深まった。

今年初め、WeChatはビジネス用モバイルストアプラットフォームをローンチしている。

もちろん、ビジネスとしてWeChatパブリックアカウントに情熱を注いだり、カスタム機能を開発したりするうえで最も重要なことは、莫大な数に上るWeChatユーザの存在である。2014年第2四半期の時点で、月間4億3800万人のアクティブユーザがいる。

ローンチして2年後、パブリックアカウントは580万件に達した。パブリックアカウントの設定やベーシックな機能のあるアカウントの運営は容易である一方で、全てのビジネスがソフトウェアデベロッパーを有しているわけではないし、モバイルウェブベースの機能の構築やWeChat上での新プロモーションの創出のために彼らを雇えるわけではない。

ここで登場するのがWeChatアプリ開発およびオペレーションサービスだ。

前述のデベロッパー3社は同様のサービスを提供している。彼らはパブリックアカウントの機能開発やクライアント向けのアカウント運営のほかにも、加入者のメトリクス測定やその分析結果を表示するダッシュボード、クライアントがWeChatの加入者とオンラインまたはオフラインのアクティビティで交流を増やせるようなアプリケーションを開発した。ビジネス向けトレーニングも提供している。

中国では、WeChatのパブリックアカウントの開発またはオペレーションに携わる企業が何千とあると言われている。そして、その多くが以前はWeiboのソーシャルマーケティング業者であった。私が先に述べたとおり、経営状態の良いパブリックアカウントはより良いブランド構築だけでなくビジネスの収益をも生み出すという意味で、WeChatは彼らにとってこれまでより何倍も大きなチャンスになるというわけだ。

しかしWeiboの衰退の影響で、それらのサービスは1つのものに全てを託すことはできなくなった。Dodocaは、NetEaseと中国の通信会社であるChina Telecomが共同で運営しているモバイルチャットアプリである EasyChat、そしてAlipayとWeiboにも同時にサービスを提供している。Alipay WalletというAlipayのモバイルペイメントアプリと他の多くのモバイルサービスはAPIのセットを最近リリースしているので、サードパーティー業者がまもなく飛びついていくだろう。

コンテンツの公開、モバイルコマース、そしてより最近ではスマートホームやウェアラブルプロダクトとの相互作用などが可能なWeChatのパブリックアカウントシステムは中国でなかなか評判が良いため、さらに競合が参入してくることになる。なお、中国の検索大手であるBaiduは同様のプログラムがBaiduの主力モバイルアプリの次のバージョンで利用可能となる、ということを本日公開している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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