日本のスタートアップ特化型人材募集サイト「Justa」がローンチ

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新しい人材を雇用するとき、予算が厳しい中でスタートアップには何ができるだろうか? ヘッドハンターは費用が高く、ジョブボードへの投稿や人材募集広告に法外な費用を払うのでは、走り始めたばかりのスタートアップには用をなさない。東京を拠点とする Justa は、人材採用の経験の有無や手持ちの金額に関係なく、すべてのプロセスをシンプルかつ誰もに利用できるようにすることで、日本のスタートアップのリクルーティング・ソリューションになろうとしている。

Justa は、渋谷ビットバレーの中心部にあるインキュベータ Red Brick Ventures で活動している。スタートアップ向けのサービスを開発しながら、自らもスタートアップである Justa は、プロジェクトリーダーの Nikola Pavesic が牽引する〝(Red Brick Ventures )内部から生まれたブートストラップ〟だ。彼らは、ベンチャーに特化したリクルーティング・ソリューションは、費用を最小限に抑えなければならないと考えている。

我々のミッションは2つだ。まず、費用があまりかからないこと。これはスタートアップにとって重要だ。そして第二に、より理想的な作りであること。これは日本のスタートアップ文化を大きく加速する上で重要なことだ。

以前、私には、自分の仕事が好きになれないと話す日本人の友人がいた。そして、同じような人がたくさんいることに気づいた。彼らは、私くらいの年齢で、明らかに頭もよく、やる気がみなぎり、これまでとは違うことをしたいと思っているのに、日本の企業文化に苛まれている。日本では、同じ会社にで仕事し続けることが期待されるからだ。この考えを変えて、スタートアップに実現可能なイグジット・プランを提供したいと思った。

Justa のベータ版は、スタートアップ限定で6月中旬に公開された。仕事を探している人々は、8月下旬から Facebook や LinkedIn アカウントでサインアップできるようになった。それ以降、Justa はスタートアップ約70社を魅了し、彼らから出された200以上の業務を募集している。Pavesic によれば、業務の半数以上はエンジニアやデザイナー関連だ。そのほか、ビジネス開発、マーケティング、ローカリゼーションに関連した、さまざまな募集業務が公開されている。

我々は完全に二カ国語で提供しているので、日本人にも外国人にもアプローチできる。日本市場にフォーカスしているので、応募してくる人材の98%は日本人で、クライアントの多くは日本国内のスタートアップだ。日本語と英語の両方で Justa を提供することは、日本で何が起きているかを知りたい国外の人々にとっても便利だろう。

クライアントには、東京のスタートアップ・エコシステムで有名なスタートアップが多く目立つ。翻訳サービスの Gengo、クラウドソーシングのランサーズ、オフラインEコマースアプリの Origami などだ。モバイルゲームのガンホー、AirBnB の日本支社など、成熟した企業も Justa に人材募集を掲出している。Justa 自身も自らのサービスを通じてエンジニアを獲得しており、他のクライアントもインターンを見つけたり、フルタイム業務の面接を進めていたりする。

我々とまったく同じようなサービスはないので需要は大きい。Wantedly は我々に似ているが、彼らはソーシャル・リクルーティングをベースにしていて、スタートアップだけにサービスを提供しているわけではない。Justa には、ローンチして最初の1ヶ月間で1,000名以上の応募者があった。

工夫されたスキル・マッチングの機能

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Nikola Pavesic(最右)と Justa のチームメンバー。

日本のスタートアップに特化した人材ニーズを充足するのに加え、Pavesic には Justa で追求したいもう一つの理由がある。ターゲティングだ。

自分には適さない、LinkedIn や地元のジョブボードからの人材募集の告知には辟易としていた。それはスキル・マッチングが酷かったからで、特にどういう言語が使えるかということにおいては、その酷さが顕著だ。私も完璧なビジネス日本語を求める人材募集の案内を受け取ったりしていた。私はまだそんなには日本語を話せなかったのに。

彼が目指す大きな目標は、適切なバックグラウンド情報のもと、人材をクライアントの募集業務とマッチングできる完璧なターゲティング・ツールを作ることだ。Justa のチームが考えているのは、従来のリクルーティング・プラットフォームには無いものだ。

応募者の言語やスキルが募集業務とマッチしているかどうか、逆に、募集業務が応募者の言語やスキルにマッチしているかどうか、それらを定量的に評価するアルゴリズムの開発に着手している。スキルリストは、ユーザから集められたのち、我々のチームが整理する。完全に二カ国語化されたオートコンプリートなものになっているので、ユーザは簡単に入力できる。

Justa は簡単なクイズ形式のしくみを考案していて、これを使えば、応募者はスキル、経験、個性に基づいて質問に答えてゆくだけで、雇用者が容易にファーストインプレッションを把握できる、シンプルかつ定量的なプロファイルに変換してくれる。

Pavesic は早急な海外展開は考えておらず、外部からの資金調達についても喫緊には考えていないのだそうだ。Justa にとっての最終目標は何だろう? Pavesic は笑顔でこう言った。

日本で LinkedIn に勝ちたい。

【via Tech in Asia】@TechinAsia

【原文】

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