もはや「着る筋肉」! ハーバード大の開発する支援型ソフト外骨格スーツ「Soft Exosuit」

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普段我々のイメージする外骨格スーツといえば、エイリアンや攻殻機動隊で見たような、ゴツくて巨大で人間の能力を何倍にも飛躍させるような、作業を目的としたものが主流だろう。

しかし今回ハーバード大で開発を目指しているものは、そうしたイメージのものとはひと味違う。彼らの開発する柔らかくてコンパクトなタイプの外骨格スーツ「Soft Exosuit」は、ズボンのように履くことで、歩行をサポートすることを目的としている。

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Soft Exosuitのアプローチはユニークで、生体力学と生理学の観点から人間の歩行のメカニズムを解析し、その効率性に着目。人間の筋肉や腱、関節をサポートする仕組みを作り出すことで、コンパクト・軽量でありながらも、人間の歩行をサポートするようなハードウェアを生み出そうとしている。

主な利用用途として提示されているのは、兵士の物理的作業の補助、高齢者の支援、障害者のリハビリ、物理的な作業を必要とする作業者の負担軽減など。装着によって疲労や負荷を軽減することができ、作業者の力を強化するだけでなく、持久力を向上させることができるそうだ。

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本機の仕組みだが、基本的にはズボン型の本体に縫い込まれたセンサーを通じて人間の動きをモニターする。得られたデータは即座に腰の部分に装着されたメインデバイスで解析され、そのままズボン型本体に戻され、人間の動きをサポートすることになる。

なお、Wiredによれば、本プロジェクトに関しては米国防総省より290万ドルの支援が行われているとのこと。この装置で人間の限界が向上するとすれば、近い将来、外骨格を装着した人間の限界に挑むオリンピックなども夢ではなさそうだ。

Soft Robotic Exosuit from Wyss Institute on Vimeo.

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