日本最大級、女性専用の匿名オンラインカウンセリング「ボイスマルシェ」がSMBCベンチャーキャピタルから資金調達

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2014.10.1

Voice-Marche-website

2012年3月にサービスを開始した日本最大級の女性向けオンラインカウンセリングサービス「Voice Marche (ボイスマルシェ)」。運営会社のバーニャカウダは、2014年9月にはSMBCベンチャーキャピタルから初の資金調達を行い、今後チームづくりにも力を入れて行くと言います。CEOの古川亮さんとCOOの菅野彩子さんにお話を伺いました。

女性が多岐にわたる悩みを匿名で相談できるボイスマルシェ

ボイスマルシェは、ライフステージによってさまざまに悩む女性にとって、一種の駆け込み寺のようなもの。自宅や好きな場所にいながら、プロの女性カウンセラーに匿名で相談することができます。現在、登録されているカウンセラーの数は160名を超えており、日本最大級。2014年9月現在、予約数は前月比 約140%で増えています。

ボイスマルシェのサービス構想は、お2人がまだリクルート在籍中に着想したもの。もともと起業したいと思っていた古川さんは、当初、女性向けの占い事業を検討していました。ヒヤリングした50人以上の女性は、口を揃えてこう言ったそう。

「悩みの相談先がない、と皆さんがおっしゃいました。仕事もバリバリこなす優秀な女性たちが、1時間2万円を払って占いに行く。それ以外に、自分の悩みを打ち明け、相談する場所がないから。人生の節目となるようなタイミングで悩んでも、誰にも相談できなかった自分のことも思い出されました」(菅野)

と話す菅野さん。占ってもらうこと以上に、話を聞いてもらい、悩みの解決のヒントを得たい。そんな女性たちのニーズに応えるソリューションとして生まれたのがボイスマルシェでした。

一律の価格と、匿名の電話相談が生む安心感

悩む女性にとって、カウンセリングやキャリア相談という手段はなくはないものの、値段の相場観が不透明。また、個人開業の専門家も多いため、仕組みにバラつきがあり利用者に不安が残ります。

ボイスマルシェではカウンセリング費用を一律に設定し、メールアドレスも電話番号もいらない完全な匿名制をとっています。東京のカウンセリング費用の相場である10,000円〜15,000円(1時間)に準じて、25分のお試しが3,000円、55分なら12,000円。

「女性は、相談したいテーマに応じて、一覧からカウンセラーを選ぶことができます。8時から27時まで、時間10分前ギリギリまで予約が可能です。お試しはカウンセラーにつき1回なので、カウンセラーが違えば何度でも試して相性のいいカウンセラーを見つけることができます」(古川)

どのカウンセラーに相談しても一律1時間12,000円という価格であるため、相談した後に同じベクトルでカウンセラーを評価することができる。また、既存の電話によるカウンセリングや占いのサービスなどは、終了時間が定まっていないため、電話を引き延ばされて予想以上に多額の請求が来るようなことも。その点、ボイスマルシェは時間が来ると強制的に電話が切れる仕組みです。

カウンセリングを手軽で身近な存在に感じさせるさまざまな工夫によって、初回利用から3ヶ月以内のリピート率は50%に及ぶこともあると言います。

カウンセラーの仕事の場を地域限定から全国へ

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利用者にとってボイスマルシェを活用する大きな要因である一律の価格設定ですが、相談を受ける側にとっては反対にデメリットにはならないのでしょうか。

「カウンセリングという仕事は、悩みが解決すると相談者が卒業してしまうというジレンマを抱えています。ボイスマルシェを使うことで、場所という制限にとらわれることなく、例えば北海道にいながら全国の相談者の相談を受けて間口を広げることができます」(菅野)

個人事業主としてカウンセリングのサービスを提供する人も多いため、新規相談者獲得のリソースを最小限に留めながら、相談を受けることに注力することができます。

現在、ボイスマルシェの相談内容で最も多いのは、仕事にまつわるもの。「適職・転職」というテーマで、転職すべきかの相談、また旦那の転勤が決まり、自分は会社を辞めた方がいいのか、など女性ならではの悩みが多いんだそう。

「女性の悩みは1つではありません。結婚するまでは相手選びに悩んだり、結婚してからはキャリアについて悩み、さらに子どもができても家庭と仕事の両立、また子育てについて悩むなどライフステージによってさまざまです。そんな多岐にわたる悩みを解決に導く場にしていきたいです」(菅野)

VCに「女性ならではの感覚」をわかってもらう難しさ

前述した通り、今年の9月10日にSMBCベンチャーキャピタルから出資を受けたバーニャカウダ。交渉は長引いたものの、通常1社では出資しないところを1社で出資してもらうことができました。資金調達までの道は険しかった、と古川さんは振り返ります。

結局10社以上と資金調達の交渉を行った古川さん。男性が大多数を占めるVCの世界。身近にいる女性が奥さんや娘などに限られる男性陣に、女性の生態系や女性ならではのモヤモヤ感を説明したところで共感されるどころか理解もされない。

「ボイスマルシェは、事業として好き嫌いが分かれるのだなと感じました。とあるベンチャーキャピタルの男性には、ストレートに「これはないと思う」と事業を否定されたこともありました。SMBCベンチャーキャピタルの担当者の方は、オンラインカウンセリング自体が伸びる領域だとして、熱意を持って応援してくれています」(古川)

求む、スマホアプリ開発者やUXデザイナー

「人」と「市場(いちば)感」を大切にしてサイトをつくっていると話す菅野さん。生産者の顔を見て品物を購入できる青空市場のように、カウンセラーを全面に出すことで、人の顔が見える安心感とわかりやすさを心がけています。

現在のCEOとCOO、アシスタントの3人に加えて、今年12月には男性社員2名の入社が決まっています。無事に資金調達を終え、これからCTOを含む人材をリクルートティングしてチームを強化していきたいと古川さんは話します。

「僕自身が男性なので、女性の気持ちになりたくてもなれません。でも、女性へのヒヤリングを繰り返して事実を積み上げることで、客観的に判断することが大切。先入観にとらわれず、目の前の事情を素直に見て動ける人がいいですね」(古川)

「利用者と同性としての自分ではなく、使い手の意見を聞いてフラットに考えることを意識しています。マーケター的視点を持って、新しく市場をつくっていくことに熱意を持てる人にジョインしてもらいたいです」(菅野)

広く競合と見られるサービスは他にもあるものの、専業のオンラインカウンセリングサービスは、現時点ではボイスマルシェのみなのだそう。年内にカウンセラー数200人を目指し、悩む人と、それを助ける人を結んでくれるボイスマルシェ。今後の成長を見守りたいと思います。

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