日本のバックパッカーが生んだ、世界のお祭りキュレーション・サイト「Event Carnival」がローンチ

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バックパッカーをするのは楽しい。ガイドブックに載っている移動手段が無くなっていたり、地図にある街が消滅していたり、予期せぬトラブルさえ楽しみに転じることができるのは旅の醍醐味だ。筆者が常日頃から世界中のスタートアップ・コミュニティを訪ねるのも、おそらくバックパッカーにルーツがあるように思う。

先ごろ、アジアのバックパッカーが集まる街バンコクで、世界の祭りをキュレーションするサイト「Event Carnival」がローンチした。このサイトを立ち上げたのは、以前ソーシャル・リクルーティングで COO を務めた斎藤康太氏と、世界一周バックパッカーとして名高い高木弘貴氏だ。

2013年秋、二人は半年後にタイで合流することだけを約束し、斎藤氏はインドへ英会話学校の立ち上げに向かい、高木氏は世界一周プログラミングの修行へと旅立った。そして、半年が経過した今年4月、二人はバンコクで落ち合い、タイ古来の水かけ祭り「ソンクラーン」に参加した。二人の周りには旅好きな人物が少なくないが、彼らは口々にこう不満を漏らすのだった。

祭りは、行った先の国の魅力を最大化してくれる。旅の途中で、地場の祭りに参加できれば楽しい。しかし、どの国にどのタイミングで行けば、祭りに参加できるのかがわからない。

確かに世界の観光スポットを紹介したガイドブックには事欠かないが、世界中の祭りに特化してスケジュールや参加方法を提示してくれるワンストップの情報源は、筆者の知る限り存在しない。そこで、斎藤氏と高木氏の二人は、世界の祭りの情報をキュレーションするサイト「Event Carnival」をローンチした。Event Carnival を運営する2人の会社カーニバルは、今年7月、East Ventures からシード資金を調達している

現在、コンテンツの多くは Creative Commons ライセンスに基づいて公開された写真や、第三者が作成し公開した YouTube 動画によって構成されているが、今後、斎藤氏や高木氏自らが数多くの祭りを訪れ、その取材に基づいてコンテンツを自前のものに差し替えていくとのことだ。Event Carnival のインタフェースは英語で作成されているが、祭りを紹介するコンテンツにはテキストが含まれないため、言語障壁が無いという点で、彼らの友人のバックパッカーらにコンテンツの作成を依頼することも難しくないだろう。

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バンコク市内 Startup House に集う、Event Carnival の運営メンバーやユーザのバックパッカー達。

斎藤氏や高木氏らは、バンコク市内に Startup House というシェアハウスを運営している。Event Carnival は積極的なマーケティングをまだ実施しておらず、Startup House に宿泊したバックパッカーからの口コミ拡散でユーザを増やしているのが現状だ。現在はコンテンツを増やすことに注力しており、マネタイズを考える段階には無いため、目の前にユーザがいることで、ユーザ・バリデーションの機会獲得に困ることもないし、ユーザのニーズも把握しやすい。

彼らは東南アジアを主戦場に選んでいることもあり、まずは Android 向けのモバイルアプリの開発に着手する計画だ。将来的には、Meetup.comCouch Surfing 上のイベントのような形で、祭りのニーズに特化したソリューションを提供することでビジネスにすることを考えている。

旅に行くときには、ぜひ地場の祭りに参加してほしい、というのが、我々のメッセージ。今までの旅行が嘘だったかのように、その体験が強烈に心に残るものに変わるだろう。ホテルや航空券を手配する覇者は世界中にいる。しかし、旅の体験を届ける覇者はまだ居ない。我々はそこを目指したい。(斎藤氏)

少し毛色は異なるものの、日本国内で言えば、TrippieceVoyagin などのスタートアップは、 Event Carnival のライバルになり得ると考える人も居るだろう。祭りという旅のアトラクションにフォーカスしている点、また、アジアのみならず世界中のバックパッカーを想定ユーザに設定している点が、Event Carnival の行方にどう影響を及ぼすか、今後が楽しみである。

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タイ・チェンマイで、イーペン・サンサーイに参加する Event Carnival のチーム。左は CEO の斎藤康太氏。
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