「二人の協力者に筋電義手を届けたい」ーーあたらしいものづくり「handiii」の挑戦がはじまった

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新しいものづくりの姿はここにあるのではないだろうかーーそう考えさせられるプロジェクトが今日、始動した。

筋電義手(腕の筋肉の電気信号で直感的に操作できる義手)の製造を推進するexiii(イクシー)は11月22日、同社のプロダクトである「筋電義手handiii」クラウドファンディングプロジェクトを開始した。支援プラットフォームはkibidango(きびだんご)で、プロジェクト終了期限は2015年1月19日、それまでに70万円の資金調達を目指す。

プロジェクト支援したオーナーに対しては展示用のhandiiiにロゴを印字したもの(2万円)から完成品など、9種類のリターンが用意されている。プロジェクトが成立した場合、exiiiはhandiiiの機能を実用レベルにまで引き上げ、協力者である人物に実際に使ってもらうことを約束している。

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写真:kibidangoより/プロジェクトがhandiiiの提供を目指している協力者の方

さて、恐らく多くの健常者にとって、この義手などの話題は馴染みのないものかもしれない。プロジェクトページに掲載されている内容をみると、この筋電義手は150万円以上という価格で、普及率も1%程度なのだという。私は恥ずかしながらこの数字が多いのか少ないのかも判断ができない。しかし、現実的に課題があると感じたexiiiのチームは新しいものづくりの方法で、この解決方法を探った。

それがhandiiiだ。

私がこのプロダクトを初めて見たのが電子工作のコンテスト「Gugen」というイベントで、実はまだこのタイミングで彼らはスタートアップしていなかった。パナソニックやソニーといった大手家電メーカーに在籍していたメンバーが休日を使って地道に準備を重ねた結果、今回のプロジェクト開始に繋がり、2014年10月29日には法人としてのスタートも切っている。

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写真:kibidangoより/左から取締役CTOの山浦博志氏、代表取締役CEOの近藤玄大氏、取締役CCOの小西哲哉氏

アイデアももちろん優れている。もともと百万円単位で販売されるものを数万円レベル(試作段階で材料費が3万円程度)に抑えることに成功したのは、主に3Dプリンタの活用と、操作部分をスマートフォンという汎用機器で代用したことが大きい。

また、3Dプリンタで出力が比較的容易にできることから、デザイン面でも使う人の気分に合わせた柔軟性を持っていることも大きな特徴だ。彼らは義手を福祉機器ではなく、腕時計やシューズのようなものとして提供したいと考えている。この辺りは近く取材する予定なのでまたいろいろお伝えしたい。

なお、代表取締役CEOの近藤玄大氏に少し話を聞いたのだが、明日から開催されるMaker Faireに彼らも参加予定で、そこで新型のhandiiiを展示するということだった。

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Maker Faireに出展中の最新handiiiティザー画像

興味ある方はぜひ彼らに会いにいって欲しい。

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