プレゼンツールのPrezi、総額5700万ドルの資金調達を実施。ユーザ数は5000万人へと急成長

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プレゼンテーションツールを開発するPreziが、新たに総額5700万ドルの大型の資金調達をしたと、11月19日にヘルシンキで開催されたテックカンファレンス Slushで発表した。今回のラウンドには、前回のラウンドに参加したAccel Partnersに加えて、米国の投資会社であるSprectrum Equityが参加しているという。

Slushの会場にて、CEO兼Co-FounderのPeter Arvai氏に今回の調達を実現した背景について尋ねたところ、「ここ1年でユーザ数が2500万人から5000万人と倍増した」と教えてくれた。また、サイト上に公開されているプレゼンの数は、合計で1億6000万件に上るそうだ。

ユーザ数を過去1年で大きく成長させたにも関わらず、これまでのラウンドで調達した資金については、一切手をつけていないとArvai氏は言う。今回調達した資金は、人材採用などに使用する予定だという。今後事業の面でどのような一手を打つのか、引き続き要注目だ。

聴き手の心に残るプレゼンによって、人々の賢明な判断を促すこと

Preziは、既にプレゼンツールとして日本でも知名度が高いが、改めてそのサービスの概要について触れてみたい。Preziの主なユーザーはマーケティング、営業、コンサルティング関連の職種につく人たちだ。「聴き手を引き込むストーリーをつくる」というコンセプトの元、様々な情報を詰め込む従来の「つまらない」プレゼンテーションではなく、コンテキスト(背景のストーリー)が理解できる「聴き手の心に残る」プレゼンを作れるようにすることを、Preziは目指している。

とはいえ、「聴き手を引き込むストーリーをつくる」には何が必要なのだろうか? Arvai氏は「人間の脳がものごとを記憶するプロセスに沿って、プレゼンを作成できるようにすること」が鍵であるという。たとえば「あなたのキッチンにある電気製品はなんですか?」と聞かれたときに、多くの人は「炊飯器、トースター…」などさまざまな物を挙げることができるだろう。それは、そうした物のリストを暗記しているのではなく、頭の中で自宅のキッチンを思い浮かべているからだ。

このように、脳内でビジュアルのイメージを作り上げているからこそ、さまざまなものごとを記憶に結びつけることができるとArvai氏は言う。そうした「ビジュアルでものごとを記憶する」脳の性質を活かして、記憶に残るプレゼンを作成できるようにするのがPreziの強みなのだ。

最終的には、20億人のユーザがストーリーを「記憶に残る形で」に伝えられるようにすることが、Preziのゴールであるという。その理由を尋ねたところ、Arvai氏は次のように答えてくれた。

「私たちの目標は、多くの人々が賢明な判断をできるようにすることです。退屈なプレゼンの代わりに、聴き手を引き込むストーリーによって人々がものごとをしっかり記憶できるようになれば、そうした情報を元により賢い決断をすることが可能になるはずなのです」

2009年にハンガリーのブダペストで創業し、堅調にユーザ数を伸ばしてきたPrezi。Arvai氏は、ここ3年ほどは休暇をとる時間もないほどの忙しさだったということだが、Slushのあとはそのまま日本に行き、東京や京都などで1週間ほどバケーションを楽しむ予定だそうだ。

なお、日本市場に関して言えばPreziは日本に拠点を置いていない。しかし、日本語バージョンの提供や日系企業とのパートナーシップ、Preziの使用方法についての解説本などの影響によって、確実に日本でのユーザ数を伸ばしているようだ。また、Arvai氏は日本に1年強ほど滞在していたことがあり、日本語も流暢に話すことができる。

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