米スタートアップのアジア進出を支援するスクラムベンチャーズ、コワーキングスペースとメディアを立ち上げへ

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シリコンバレーのスクラムベンチャーズは起業家出身の日本人・宮田拓弥氏が運営するファンドで、2013年の設立以降、スタートアップ26社に投資をしてきた。韓国人起業家ジョン・セジュ(정세주)氏が設立した Noom にも、今年2月に投資をしている。8月にはマーケティング・アウトソーシング・サービスの Lead Genius のシリーズAラウンドに参加するなど、モバイルを使ったヘルス分野に投資を進めてきた。

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宮田氏は2005年に顔認識技術を開発するサービス「J-Magic」を設立、ミクシィに売却した起業家としての経験と、日本を含むアジアのビジネスネットワークを活用して、主にアメリカのスタートアップに投資、彼らのアジア進出を支援している。宮田氏が J-Magic で顔認識技術を開発していたとき、当時のOlaworks(올라웍스、2012年に Intel が買収)代表、現在は Future Play(퓨처플레이)代表であるリュ・ジュンニ(류중희)氏と競合関係にあったが、現在では、宮田氏もリュ氏もそれぞれ自身の会社を売却し、それぞれの国でグローバルなシード投資家となって共生関係を構築している。

スクラムベンチャーズの基本戦略は、アメリカのスタートアップのアジア進出の支援だ。個人的にはシリコンバレーに進出を図る日本のスタートアップを支援することもあるとのことだが、日本のスタートアップがシリコンバレーで成功するのに必要な、イスラエルと同じようなエコシステム(イスラエルのスタートアップは、数多くシリコンバレーに進出している)がまだ存在していない、というのが彼の考えだ。したがって、スクラムベンチャーズは、テクノロジーとビジネスの両分野で、主にアメリカのスタートアップに投資をしている。

宮田氏は起業家に対して、次のような意見を述べた。

難しい分野、解決が難しい問題に対して科学や技術で挑戦し、一つのテーマを長い時間をかけて発展させてゆく企業が好きだ。例えば、「韓国版 Uber」と言ったようなサービスは、あまり好きではない。

彼が日本を離れアメリカへ行った理由も、日本に居て享受できることに甘んじるよりも、シリコンバレーで刻一刻と出会うことになる新たな挑戦に、より大きな価値を感じたからだ。彼はこの挑戦を通じて、今後の日本やアジアに対して、自分がこれまでに享受したチャンスを還元できるようになると思う、と述べた。

今後、スクラムベンチャーズはオフィスを移転し、シリコンバレーにスタートアップのためのコワーキング・スペースを開設する。アメリカの有名起業家のインタビューなど、日本とアジアのスタートアップに各国言語で紹介するオンラインメディア事業にも挑戦する計画だ。

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スクラムベンチャーズ代表 宮田拓弥氏

【原文】

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

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