日本の高い縫製技術を活かすために。アパレル小売業と縫製工場をマッチングするクラウドソーシングサービス「sitateru」

by Eguchi Shintaro Eguchi Shintaro on 2014.11.20

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日本が世界に誇るもののひとつに縫製技術がある。世界のトップアパレルブランドの裏側を下支えする日本の縫製工場だが、コスト削減のあおりを受け経営難な所も多い。また、技術力の高さを発信する機会が少なく、技術職という分野から若い人材の採用も難しい。

そうした一方、近年では店舗をもたずBASEやSTORES.JPなどのECストアをベースに個人でファッションブランドなどをたちあげ、販売する個人事業や小規模店舗も少なくない。そうしたユーザも多くは自身の洋服を制作してくれる工場を常に探しているという。双方のニーズを満たすため、小売店と工場とをマッチングさせるクラウドソーシングサービス「sitateru」を運営しているのがシタテルだ。

熊本を拠点に活動しているシタテル。熊本はもともと県内に縫製工場が多く、現場の課題を日々目の当たりにしていたという。高い技術力をもった人たちがもっと活躍できる場をつくろうとサービスを構想し、独自のネットワークを地道に築き上げてきた、と代表取締役社長の河野秀和氏は語る。

ユーザは、まずはウェブ上でサンプル作成を行う。この際に、ラフデザインだけでなくアイデアベースなものやイメージコラージュでも可能だという。そのサンプルをシタテルのデザイナーやパタンナーらとコミュニケーションを行い、そこから最適な縫製工場とマッチングさせる。サンプルが完成し、問題がなければ本生産となる。1サイズ10枚、1ロット20枚からの発注が可能だ。縫製工場としても、稼働時間のムラを無くすことができ、経営難から脱却することも可能だ。

「主なターゲットは、セレクトショップやECのみで運営をしている人たちです。そうした人たちは、少ないロット数ながら、こだわりの製品を届けたいというニーズがあり、まさにシタテルとしても高い技術力を活かした製品づくりをお手伝いすることができます。すでに、国内10ヵ所以上の工場と連携してネットワークを構築しています。利用者の小売業者をまずは1000店舗を目標にしたいと考えています」(河野氏)

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シタテル代表取締役社長の河野秀和氏。

2016年には、提携先の工場を50以上にまで増やし、小売業者も1万店舗以上を目指すという。同時に、高い技術力を活かした「プレミアムプロダクトオーダー」機能も取り組み始めている。これは、高い技術力を活かして完全生産数量限定の製品づくりに対応するもので、海外のトップブランドと同様の製品が個人でも作れるようになるかもしれない。

10月22日には、三菱UFJキャピタル、日本ベンチャーキャピタル、リブセンスを割当先とする第三者割当増資による資金調達を行っている。金額は非公開ながら、シードラウンドとして総額数千万円規模の調達と見られている。また、リブセンスによる出資は、リブセンスの村上太一氏とクックパッドの穐田誉輝氏をメンターとするSTARTUP 50の第一号のファンディング先でもある。

「ファションの流れをみてみると、仕立て職人によるオーダー生産から始まり、その後のファストファッションに見られる大量生産大量消費の時代、その次として現代に適した適量生産適量消費という、第三の時代にいると思います。私たちのミッションは、Made by imagination。自分たちが作りたいものを作れる時代において、洋服も自分たちが作りたいもの、着たいもの、自分に合ったスタイルを自分自身で選べるような時代にあると考えています。そうした時代のなかで、技術と製品づくりをサポートしていきたい」

日本における縫製工場のネットワークが構築できれば、オーダーは日本国内のみならず海外からの受注に対しても対応することができる。Made by Japanブランドの確立に貢献することも、シタテルは視野にいれているという。

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