Alibaba(阿里巴巴)のファイナンス部が、ユーザの購入履歴や他のオンラインでの行動を基にしたオンラインクレジットレーティングシステムを開発中なのは広く知られている。今度は様々な分野でAlibabaと競合しているTencent(騰訊)が、先週行われた年次パートナーカンファレンスで同様のシステムをリリースすると発表した。
Alibabaが自身のeコマースマーケットプレイスでオンライン小売店向けに少額のローンを貸し付けているのに対し、Tencentはそのようなビジネスは展開していない。AlibabaのSesameシステム(芝麻信用)を通して作成された信用報告レポートは、Alibabaのファイナンス部で貸出決定をする際に広く利用されることが予想される。一方で、Tencentは金融機関に売却される。
Tencentは、同社の複数の製品の間で生み出されたユーザデータは、他のいかなるデータよりもずっと詳細な情報を含んでいるという。しかし金融機関にとっては、Tencentが収集したユーザデータはAlibabaのデータほど有用にはなり得ないことは簡単にわかる。例えば、私はTencentの製品をQQでの友人とのチャットや、同社開発によるツールを使ってスクリーンショットを撮るためだけに使用している。それに基づく信用レポートが正確であるとは思えない。
最近、WeChatの決済サービス(微信支付)と金銭取引機能の人気が高まっている。WeChat(微信)からのデータが増えるにつれ、Tencentのクレジットレーティングシステムは時間の経過とともに向上していくのかもしれない。
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