
<ピックアップ記事> The Next Silicon Valley
世界中の多くの街が、シリコンバレーというロールモデルを参考に、次なる産業都市を築こうという流れがあります。今回ピックアップした記事では、世界各都市における2012年11月から2013年10月までのテクノロジー関連の商取引額(注)を基に、2013年11月から2014年10月までの商取引額の成長率データを掲載しています。。同じ算出法で資金調達に関する成長率データも載っているので、合わせて紹介したいと思います。
商取引額成長率のデータによると、1位の北京が165%、2位の東京が126%、そして3位の上海が81%の成長率となっていました。一方で、ニューヨークとロサンゼルスは僅か6%の伸び率です。
上記のデータから、長い間経済都市であったニューヨークやロスアンゼルスは、すでに成長が止まり、飽和状態であることが考えられます。その点、数値上からも商取引の中心がアジアに移ってきていることは明白でしょう。
一方、資金調達額の成長率データを見ると、面白いことにアメリカ中西部に位置するミズーリ州セントルイスにおける成長率が1221%で、アメリカ国内・国外の都市の中で1位であることがわかります。ちなみに東京の資金調達額成長率は118%で28位でした。
中西部の都市は未だに経済規模的に発展途上ですが、各州が強くスタートアップの誘致をしています。実際このデータによると、2013年度におけるセントルイスのスタートアップの多くが100万ドル以上は資金調達していると述べられています。
また、同じデータには、2006年度のセントルイスにおけるスタートアップ輩出要因で、アクセレーターとインキュベータが約20%を占めているとあります。一方、2013年にはアクセレーターとインキュベータの占める割合が60%を超えています。このことから、セントルイスのスタートアップ輩出の大きな原動力が、アクセレーターとインキュベータにあることがわかります。
前述の通り、東京は商取引額成長率では2位でしたが、資金調達額は28位でした。このギャップを埋めるために、セントルイスのように行政がバックアップしながら、アクセレーターとインキュベータをいま以上に増やすというのも手なのかもしれません。
注:編集部追記/初出時に「商取引額」と表記しておりましたが、こちらはテクノロジー関連のみの数字でした。訂正して追記補足させていただきます。
via CB Insights
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