テレビの在り方を変えるかもしれない6つのこと

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Image by Paul Townsend

<ピックアップ記事>6 trends redefining the way we watch television

従来型テレビの利用シーンが減っているようです。例えば2014年にケーブルテレビを観ている人が91%いますが、10年後には41%にまで減るというデータも出ているほど。

そんなテレビの在り方を変えてしまうかもしれない6つのことがピックアップ記事で紹介されています。

1. オンラインストリーミングが主流になり、多様なデバイスから動画を観れるようになる

記事内では、Huffington Post TV社長のRoy Sekoff氏のテレビに対する考えが紹介されています。曰く、テレビというのは未だにリビングルームで動画を観るという利用シーンに限られており、それが60年変わっていない。これからは新しいテクノロジーを使って、自分達の時代にあった動画の見方を再定義する必要があるとのこと。

前述の、これからの時代に合った動画の見方の1つがオンラインストリーミングと言えそうです。

ちなみにDVDやブルーレイディスクなどのディスク関連の市場は、2007年には30億ドルの規模あったものが、2016年には20億ドルにまで縮小。一方、オンラインストリーミング市場は、2007年には1億ドル程度しかなかったものが、2016年には50億ドルにも拡大すると試算されています。

このことからも、確実にオンラインストリーミングに対する利用価値及び需要が高まっていることが数値上からも納得できます。

2. モバイルを通じてあらゆる動画コンテンツへアクセスされる

The TV of Tomorrow ShowのプロデューサーであるTracy Swedlow氏は、かつてほとんどの人が、モバイルで1分以上の動画は観られないと予見したとのこと。しかし実際は多くの人がモバイル端末を通じて、より長い動画コンテンツを観る傾向にあるらしいです。

興味深いデータをYahoo!配下のFLURRYが出していました。モバイルの平均利用時間がテレビの利用時間を超え、アメリカにおける1日のモバイル平均利用時間が177分で、テレビの平均時間である168分を2014年の第3期になって初めて超えたとあります。このデータから、流れがテレビからモバイルにシフトしているというトレンドが伺えます。

3. 視聴者が動画コンテンツや他視聴者との接点が増え、インタラクティブになる

記事では、iPowowのCEOであるGavin Douglas氏の考えが書かれています。氏曰く、これから数多くの人がTwitterなどのウェブサービスを通じて、スクリーン上でよりインタラクティブな体験をするだろうとのこと。

冒頭で従来型テレビの利用シーンが減っていると述べました。しかし次世代型テレビであるスマートテレビは、この3点目で指摘されているインタラクティブな体験を実現しています。

例えばSamba TVは、テレビスクリーンを使って、映画の感想をFacebookやTwitter上で拡散できることを可能にしました。またモバイル端末をコントローラーとして使用し、テレビスクリーンとシンクすることも可能。

このように、モバイルとの連携機能や、ソーシャル上サービスとのシンク機能を兼ね備え、インタラクティブな体験を提供するスマートテレビの存在に今後も注目でしょう。

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Image by Shardayyy

4. 動画広告は、テレビからモバイルへ

同じくiPowowのCEOであるGavin Douglas氏は、テレビ上の30秒の動画広告は3万ドルの費用で大体5万人に観られると語っています。

しかし、同じコストでも、モバイル端末上で観られれば5万人に観られるだけでなく、シェアされたりして、さらなる人に観られる機会が得られる。そのため、これからは従来型のテレビ広告から新たな形を模索すべきだろうと指摘しています。

実際、筆者がネイティブ動画広告会社のViroolのCEOと会った時も、広告動画はテレビからモバイルへ流れ、ただ単に観られるだけでなく、シェアされることが必要となると言っていました。このことから、オンライン動画コンテンツならではの広告戦略が今後は必須となることが考えられるでしょう。

5. ソーシャルメディアがテレビの世界にも進出

記事では、この時代、視聴者はより自分の感想をソーシャル上でシェアしたい気持ちに駆られているとのことです。その上で、ソーシャルメディアの登場は、このような視聴者の欲求を満たすであろうと述べています。

前述のSamba TVの例のように、スマートテレビが台頭していくと同時に、例えばニュース番組を観ながら、キャスターが紹介している各事件に対しての考え・感想をリアルタイムでソーシャルメディアに投稿するというスタイルが普及することが考えられます。

6. データがやはり重要

続けてiPowowのCEOであるGavin Douglas氏の意見が元記事で紹介されています。Douglas氏が述べるには、動画広告のターゲット、広告を流すタイミングを最適化するために、これからデータが使われるとのこと。

例えば、10代の女の子を広告ターゲットとして、ティーンの女の子が観るようなテレビ番組上で、最適なタイミングで広告が流されるという感じ。このような具合で広告を流すタイミング、ターゲット、そして広告展開される場所もデータを使って導き出されるそうです。

ここまでテレビ業界に起きている6つの大きな変化を述べてきました。

総じて言えることは、明らかにテレビの利用シーンが、私達のライフスタイルの変化と共に変わってきているということではないでしょうか。例えばテレビ動画広告を取り上げたとしても、いま正に変革が起きていることは間違いないでしょう。このタイミングで、この変化の波に乗り込む日本のスタートアップが増えることが期待されます。

Via Mashable

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