EricssonがXiaomi(小米)のインドにおけるスマートフォン販売を禁じた理由

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中国のスマートフォンメーカーXiaomi(小米)は、インドの高等裁判所から同国でのXiaomiスマートフォンの販売を禁止する差し止め命令を受けた。

この差し止め命令劇の背後に存在するのは、世界最大規模の通信機器メーカーでスマートフォンとモバイルネットワークをつなぐことができる特許を持つEricssonである。このスウェーデンの大手モバイル企業は、XiaomiがEricssonの特許を侵害したとして非難している。

EricssonはTechCrunchに対して、「Xiaomiとの話し合いを持とうと3年かけましたが、無駄に終わりました」と語った。Xiaomiが対応を拒否した後、Ericssonは差し止め命令を申請し、Xiaomiに交渉への参加を余儀なくさせたと伝えられている。EricssonはXiaomiに対し、2G(GSM)、EDGE、そして3Gネットワークに接続する製品に関連する特許使用料の支払いを要求している。

報道によれば、この差し止め命令に違反していないこと、すなわち命令が出されて以降に携帯電話を販売、輸入していないことを確実なものとするために、インド当局がインド国内にあるXiaomiのオフィスに派遣されたという。その差し止め命令がどのモデルに対するものかは明確でなかった。

Xiaomiの広報担当者はTech in Asia宛に以下の声明文を送付、裁判所からのその後の連絡はない旨を述べている。

「デリー高等裁判所からの公式通告はいまだ受け取っていません。しかし、弁護団は現在当社が持っている情報をもとに状況を精査しているところです。Xiaomiにとってインドは大変重要な市場で、当社は必要に応じて敏速に対応し、インドの法を十分に遵守していくつもりです。さらに、当社は本件を平和的に解決するべくEricsson社とも連携していきたいと考えています」

12月12日アップデート:Xiaomiの国際チームのヘッドを務めるHugo Barra氏はMiインドチームの代理として、本差し止め命令に関しての回答をFacebook上に掲載した。

「当社はインドでのRedmi Note(紅米note)とRedmi 1Sデバイスの販売を継続するため尽力してきました。この2日間だけで、Redmi NoteはFlipkart上で15万もの登録があり、その勢いは驚異的です。しかし、当社はデリー高等裁判所からの命令で、追って通知があるまでインドでの販売を停止させられることになりました。

法令を遵守する一企業として、当社は本件を慎重に調査し、法的選択肢を見極めているところです。全てのインドMiのファンの皆にお詫びさせていただきます。当社はこの状況を覆すためできる限りのことを行っていいますので安心してほしいと思います。過去5ヶ月にわたり、当社はファンの方々とインドでの道のりを楽しく歩んできたました。そしてこの楽しい旅をこれからも続けていきたいと強く思っています」

おぼつかない足元

EricssonはMicromax、Gionee、Intexを含む他の携帯端末メーカーに対しても似たような訴訟を開始していると、この報道の口火を切ったSpicyIPが報じている。とはいえ裁判所はEricssonの訴状に拒否姿勢を示したXiaomiに対して、早期の解決を図りたいようだ。

しかし、SpicyIPは差し止め命令の根拠となる法令には問題があると指摘している。2007年に施行された国際的なTRIPSルールは著作権と商標にのみ対応しており、特許は含まれていない。このことは、この法律がその権限を逸脱しているかもしれないことを意味している。

第2に、インドの法律では下級裁判所が司法判断を下し、高等裁判所は反訴がある場合のみ関与できることになっている。したがって、高等裁判所が初期差し止め命令を認めたことは法律に順守していないことになるとSpicyIPは述べている。

インドではEricssonが優位

過去3年間にわたりXiaomiと話し合いを持とうと努力をしてきたというEricssonの主張は、つまりこの論争がXiaomiがインドまたは中国以外の他の国に参入するずいぶん以前より始まっていたということになる。Xiaomiの携帯電話は2011年8月、わずか3年前に初めて発売された。

中国のスマートフォンは主に2種類のネットワークで運用される:国内最大キャリアChina Mobile(中国移動)が採用するローカル標準(TD-SCDMAおよびTD-LTE)、もしくはChina Unicom(中国連通)とChina Telecom(中国電信)が採用する国際標準(WCDMA、CDMA2000、およびFDD-LTE)である。Ericssonが問題にしているのはXiaomi端末とインドのキャリアの多くが採用する後者についてである。

だが中国は、悪い意味で同国内のテック企業を守る姿勢をとってきており、これらの企業はライセンス料という名目の特許権使用料を未払いしたケースでもお咎めを受けていない。Qualcommのチップを使用しているスマートフォンメーカーの数社がチップセットメーカーのQualcommに対しての支払いを拒否したため、Qualcommはその収益に大きな打撃を受けた。中国当局はその後、Qualcommが価格釣り上げを行っていると非難し、現在Qualcommは、独占禁止法と反トラスト法を犯したとして調査を受けている。

よって中国が、QualcommやEricssonといった企業にとって、現地スマートフォンメーカーと競争する理想の戦場とは言えないだろう。だが、Xiaomiがインドといった中国国外の国に進出している今、さらに被害を被りやすくなっている。Xiaomiが足を踏み入れた国はEricssonが訴えを起こす新たな場となるのだが、インドはXiaomiがどうしても欲しい巨大な市場だ。

私たちが以前も述べたように、他の同規模のスマートフォンメーカーと比べて、Xiaomiは自社の特許ポートフォリオでは知的財産はどちらかといえば少数しか所有していない。これらの論争は多くの場合クロスライセンス契約をもって解決されるが、これはXiaomiがEricssonに対してXiaomiの特許へのアクセスを許可するというものだ。だが、XiaomiがEricssonが期待するだけの十分な数のIPを保有していない場合、自腹をきって支払いを行うか、裁判所へ行くかのどちらかになる。

今月初め、Xiaomi、Kingsoft(金山軟件)、そしてその他少数の中国のテック企業が新規IPを開発し集成するため、3500万米ドルの投資ファンドを設立した

先月、Xiaomi傘下のある企業が中国のチップセットメーカーであるLeadcoreとの取引を成立させたが、Xiaomiがこの取引で特許を取得したかどうかは明らかではない。Leadcoreは中国のTD標準を使った3Gおよび4Gチップセットを製造しており、その人気は世界中でますます高まっている。

Xiaomiは今年、アジア7ヶ国で6000万台のスマートフォン販売を目指しており、来年は中南米などさらに多くの国に拡大するという壮大な計画を立てている。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】

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