作り続けたアプリの累計DLは1000万、月商は数千万円規模にーー #IVS でNagisa横山氏に聞く

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Fall」の取材の一部である。

THE BRIDGEでは今回も本誌だけに語ってくれた生の声を現地からお届けする。

Nagisaのことを創業期から知ってる人は、彼らが「Balloon」というメッセージングアプリを作っていたことを覚えているかもしれない。しかしそのアプリは当時、絶対的なポジションを確立しつつあったLINEら他のサービス群を前に全く歯が立たず、そのまま会社ごと消えていくかに思えた。

しかし結論から言うと彼らは今、死地を乗り越え大きく成長している。

彼らが大量に作り続けたアプリの数々は、既に累計で1000万ダウンロード(以下、DL表記)を超え、そのネットワークから上がる広告収益なども既に月商で数千万円規模に到達しているという話も聞く。キーワードは「ASO」だ。

京都で開催されたIVSでNagisa代表取締役の横山佳幸氏を見つけたのでその状況を聞いた。(太字の質問は全て筆者)

著名ブログ「調べるお」(※)でも取り上げられてましたが、アプリが累計で1,000万DLに到達しそうな勢いとか

実はもう達成していて、11月26日時点で累計1000万DLに到達しました。

おお、そうだったんですね。なんだかこういうアプリ・ネットワーク作る場合、マーケティング費用大量につぎ込んでバンバン広告打ってDL買うようなイメージもありますが

確かに、アプリによっては1,000万円ぐらい広告投下してプロモーションする場合もありますけど、現在のアプリについては平均で1アプリあたり月に20万円ほどしか使ってませんね。ほとんどは検索経由の自然流入になってます。例えば動画アプリのGOOD TIMEはリリース10日ぐらいで20万DLですが、ノンプロモーションです。

要因は何かあるんですか?

サービスの設計ですね。利用者が使うことで自然とバイラルが発生するような仕組みになってるんです。2016年3月までに1億DLを目指してます。

現在ってどういうアプリを開発してるんですか?

ニュース系やツール系、ゲームもありますし、カメラも好調ですね。今後はコミックやファッション、SNSと、ほぼ全カテゴリ網羅していく予定です。

nagisa

最初、カメラアプリ(※Kame Cameraというヒットアプリ)を出した時は、正直、飽和状態の中に面白アプリひとつ入れたところで収益にはなっても事業にはならないだろう、という予想がありました。けれど、Nagisaはそこから大量にゲームのように各ジャンルのアプリをリリースし、アプリのネットワークのようなものを構築していきます。これは「調べるお」も指摘してましたが、イグニスと同じ戦略ということなんですか?

イグニスさんはゲームとコミックが中心でツールも展開されてますが、私たちは全ジャンルという違いがありますね。ただ、似てるといえばそうかもしれません。

一方で、私も数多くアプリ事業者を取材してますが、そうそう簡単にヒットは出せません。どこにコツがあって、他者がやらない理由があるのでしょうか。

細かいノウハウがあるんです。Balloonを作っていた時にサイドプロジェクトとして立ち上げたKame Cameraって3日で開発したんですが、想像以上に大きく当たったんですね。実はBalloonの失敗よりもこのヒット経験が大きく影響しています。そしてそこから約1年半、ずっとAppStoreを研究し続けてきたという自信はあります。

単体アプリで、例えばメルカリやiQON、SmartNewsのようにひとつのプロダクトに集中している事業者とはそもそもビジネスモデルが違う、ということなんですね。

私たちが現在取り組んでいるのはASO(App Search Optimization/アプリ検索最適化)です。ユーザーがアプリ検索をした際に上位に表示させてその課題を解決する、そういうモデルですね。

確かに単体プロダクトに集中している会社さんというのは、ユーザーの課題に対して解決方法とストーリーをお持ちです。今の体制ではそのひとつひとつに勝つことはもちろん難しいです。ただ、質が悪ければ当たり前ですけどユーザーは離れます。このASO戦略を開始して1年半ほど経過したので、これからはひとつひとつのプロダクトに集中するステージに移行したいと考えてます。

ビジネスでも広告事業が好調とお聞きしました。

現在、アドネットワークは2つ運用してまして、現在は自社アプリの収益も含めて、月次の売上ベースで数千万円あります。開発しているアプリについては、iOSとAndroidで9対1の割合です。

好調な一方、プラットフォーム依存が強いとその影響をモロに受けてしまうリスクもあるのでは。

確かに脅威に晒されることはあるでしょうね。ただ、現在のトレンドをしっかりみていると、例えばiOSの標準ブラウザで検索したら、これまで出てこなかったアプリ情報が検索結果に出てくるようになっています。トレンド的には検索からアプリといった「ウェブとネイティブ」のシームレスな流れはしばらく続くとみていますし、こういったアルゴリズムは一気に変わらないのではと考えています。

なるほど、いろいろ情報ありがとうございました。またアップデート教えてください。

※情報開示:「調べるお」運営の大柴貴紀氏は本誌THE BRIDGEでも連載中のブロガー。