シンガポール/日本発のビットコイン・スタートアップ「Quoine」が200万ドルを調達

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シンガポール登記で、日本に拠点を置くビットコイン・スタートアップ「Quoine(〝コイン〟と読む)」は今日、複数の機関投資家や個人投資家から200万ドルを資金調達したと明らかにした。THE BRIDGE の取材に対し、CEO の Mario Gomez-Lozada 氏は具体的な調達元を明らかにしなかったが、投資家の中には、日本の大企業のエグゼクティブなど業界有力関係者が含まれるとのことだ。

Quoine は、東京のメリルリンチやクレディスイスなどで投資銀行業務の経験を15年以上持つ Gomez-Lozada 氏が今年1月に設立したスタートアップで、ビットコイン取引所を6月にローンチした。彼は、日本のビットコイン分野が開拓途上と考えており、最初のターゲットとして日本市場を選んだ。

運営チームには、メリルリンチでFX取引など20年以上の経験を持つ鬼澤礼志氏、サイバーエージェントFXを立ち上げた福寄儀寛氏などを迎え、日本市場の開発に集中する。先ごろ紹介したビットバンクを含め、日本には既に複数のビットコイン・スタートアップが存在するが、Quoine は彼らとどのように差別化するのだろうか。Gomez-Lozada 氏が答えてくれた。

取引所、ウォレットアプリ(開発中)に加え、サードパーティー・デベロッパ向けに API を提供する計画だ。これにより、各種ウェブサービスにビットコインによる決済代行業務を提供することができる。それから、ビットコインの売り方と買い方をマッチングさせるエンジンが、秒あたり取引件数100万件まで対応しているのも、我々の強みの一つだ。

さらに、我々を最も特徴づけているのはレバレッジ取引ができる点。証拠金を入金することで、その金額の最大25倍までのビットコイン取引が可能になる。これまでのビットコインは、テックの人たちのためのサービスに過ぎなかったが、金融のソリューションを組み合わせることで、より金融取引に長けた人々にも使いやすいサービスを提供できると思う。

Quoine は10月、インドネシア最大の決済代行サービス会社である INDOMOG と提携し、インドネシアでビットコイン取引所を開設、ウォレットアプリのサービスを開始した。このほか、フィリピン、インド、オーストラリア、香港などへの進出も計画しているという(オーストラリアについては、まもなく開業とのこと)。

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先日のビットバンクの記事にも書いたが、金融システムが比較的確立した日本に比べると、送金/決済ソリューションが発達していない東南アジアには、ビットコインのような暗号通貨に大きなビジネス機会がある。テレコム界では、発展途上国で固定ブロードバンドの時代をスキップして、いきなりモバイル・ブロードバンドに突入したように、従来の送金/決済ソリューションを飛び越えて、いきなりビットコインをベースとした社会が到来する可能性は大いに考えられる。

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