テレパシーが「Telepathy Jumper」を発表、ウエアラブルとクラウドで〝共創プラットフォーム〟を提供へ

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ウエアラブルデバイスを開発するスタートアップ Telepathy の日本法人であるテレパシージャパンは今日、ウエアラブル・デバイス「Telepathy Jumper」を発表した。今月からプリオーダーを開始し、事業者向けには2015年3月から、消費者向けには2015年夏から販売を開始するとしている。価格は未定。

もともと、Telepathy One のリリースを目標に掲げていた同社であるが、Telepathy Jumper には Telepathy One の面影は感じられない。スマートグラスというよりは、むしろウエアラブルデバイスであり、操作をするためのコントローラーパッドとはケーブルで接続されている。

テレパシージャパンの代表取締役を務める鈴木健一氏の説明によれば、Telepathy Jumper は顔に常時かけて使うというよりは、普段は首にかけておき、必要なときに着用するという UX を期待しているのだそうだ。また、常時着用して Telepathy Jumper を使いたいユーザのために、頭部装着用のアダプタを添付予定で、このアダプタはユーザがカスタマイズ製作できるよう、3D データが DMM 東京3Dプリンティングセンターを通じて一般公開される。

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Telepathy Jumper は Android 4.2 で動作しており、複数の加速度センサー、位置センサーなどを統合的に管理できる Sense-Core Engine を内蔵。Telepathy Jumper 上のアプリは、ソフトウェア的に個別にセンサーからの情報を受け取る必要がなく、ユーザが立っているのか、座っているのか、Telepathy Jumper がバッグの中にあるのか、などコンテクスチュアルな形式で、このエンジンから情報を受け取ることが可能になり、ソフトウェアの開発/処理工数を減らすことができる。

Telepathy Jumper を披露する鈴木代表。
Telepathy Jumper を披露する鈴木代表。

Telepathy Jumper には発売段階で、「Eye Connect」と「Talent Buzz」という〝共創〟をテーマにした2つのアプリが標準搭載される予定だ。

Eye Connect はユーザ同士の互いの視線をワンクリックで交換できる機能を持ち、接続権限をオープンにしていれば、他ユーザからの接続要求に応じて、自分の視線から見える風景を他ユーザに共有することができる。

Talent Buzz は、空き時間を使ってユーザ同士が知識やスキル、体験を共有するための基盤で、工場などで熟練工が新人に製造工程のノウハウを共有したり、飲食店などで店員の接客やサービスの向上に活用したり、さまざまな応用範囲が期待される。

なお、サードパーティが Telepathy Jumper を使ってアプリが開発できる可能性については、API は公開するものの Android Wear 準拠となるかどうかなど、詳細な技術仕様については未定とのことだった。

当初の Telepathy への期待感は Telepathy One のモックアップに象徴されるように、そのハードウェアの斬新なデザインやコンセプトに対するものが大きかったと言えるだろう。つまり、その時点においては、ハードウェアは Telepathy が製造する一方、アプリはサードパーティ・デベロッパなどコミュニティの動きに依存しようとしていたのかもしれない。Telepathy Jumper の発表にあわせて、同社はハードウェア+アプリ+クラウドで、トータルに UX/UI を提供することを明らかにした。Telepathy One の実現においては、現在の技術での限界があった可能性は否めないが、ハードウェアのみにフォーカスせず、UI/UX を提供する企業になると宣言したのは、新たな一歩として評価できるだろう。

鈴木氏は、Telepathy の創業から今回のプロダクト発表に至った2年間が「長かったと思う」と心境を吐露しながらも、今後、アプリやユースケースの開発にあたり、さまざまな企業とコラボレーションしていきたいと抱負を述べた。

Telepathy Jumper は2015年1月6日〜9日、アメリカ・ラスベガスで開催される CES (Consumer Electronics Show) に出展される予定だ。

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