【上位20エリア全網羅】地域別で見る米国スタートアップの変遷 — 1990年 vs 2010年

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Image by Kevin Hale

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「シリコンバレー」という場所は、今や世界中の起業家・投資家など、スタートアップに関わる全ての人にとって聖地のような存在になっています。しかしながら、スタートアップが誕生する場所はシリコンバレー以外にも数多くあります。今回は少しマクロに考えて、アメリカ国内の各スタートアップ都市の変遷について見てみましょう。

この記事では、元記事も参照しているKAUFFMAN FOUNDATIONが発表したレポートから、1990年と2010年におけるTech系スタートアップ密集度の高い上位20エリアを、地図と一覧で紹介しようと思います。スタートアップ密集度はアメリカ全体のスタートアップ密集度を「1」とし、各都市・エリアの密集度と比較した上で上位20が計算されています。

(1990年度) 上位20スタートアップ都市・エリア

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1. (カリフォルニア州) サンジョーズ・サニーベール・サンタクララ
2. (メリーランド州) ベセスダ・フレデリック, ロックビル
3. (テキサス州) オースティン・ ラウンドロック・サンマルコス
4. (カリフォルニア州) サンフランシスコ・サンマテオ・レッドウッドシティ
5. (テキサス州) ダラス・プラノ・アービング
6. (マサチューセッツ州) ケンブリッジ・ニュートン・フラミンガム
7. (テキサス州) ヒューストン・ シュガーランド・ ベイタウン
8. (カリフォルニア州) サンタアナ ・アナハイム・アーバイン
9. (コロラド州) デンバー・オーロラ・ブルームフィールド
10. (バージニア州) ワシントンDC・アーリントン・アレクサンドリア
11. (ノースカロライナ州) ローリー・ カリー
12. (ワシントン州) シアトル・ベルビュー・ エバレット
13. (フロリダ州) オーランド・キシミー・サンフォード
14. (ユタ州) ソルトレイクシティ
15. (カリフォルニア州) サンディエゴ・カールズバッド・ サンマルコス
16. (ミシガン州) ウォーレン・トロイ・ ファーミントンヒルズ
17. (カリフォルニア州) オークランド・フレモント・ヘイワード
18. (フロリダ州) フォートローダーデール・ ポンパノビーチ, ディアフィールドビーチ
19. (ミネソタ州) ミネアポリス・セントポール・ ブルーミントン
20. (ジョージア州) アトランタ・サンディスプリングス, マリエッタ

(2010年度) 上位20スタートアップ都市・エリア

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1. (カリフォルニア州) サンジョーズ・サニーベール・サンタクララ
2. (カリフォルニア州) サンフランシスコ・サンマテオ・レッドウッドシティ
3. (マサチューセッツ州) ケンブリッジ・ニュートン・フラミンガム
4. (コロラド州) デンバー・オーロラ・ブルームフィールド
5. (ワシントンDC州) シアトル・ベルビュー・ エバレット
6. (バージニア州) ワシントンDC・アーリントン・アレクサンドリア
7. (ユタ州) ソルトレイクシティ
8. (ノースカロライナ州) ローリー・ カリー
9. (メリーランド州) ベセスダ・フレデリック, ロックビル
10. (テキサス州) オースティン・ ラウンドロック・サンマルコス
11. (ワシントン州・オレゴン州) ポートランド・バンクーバー・ビーバートン
12. (デラウェア州) ウィルミントン
13. (アリゾナ州) フェニックス・ メサ・ グレンデール
14. (テキサス州) ダラス・プラノ・アービング
15. (カリフォルニア州) サンタアナ ・アナハイム・アーバイン
16. (フロリダ州) フォートローダーデール・ ポンパノビーチ, ディアフィールドビーチ
17. (ジョージア州) アトランタ・サンディスプリングス, マリエッタ
18. (カンザス州・ミズーリ州) カンザスシティー
19. (ルイジアナ州) ニューオーリンズ・メタリー・ ケナー
20. (カリフォルニア州) サンディエゴ・カールズバッド・ サンマルコス

ここまで地図と一覧で1990年と2010年のTech系スタートアップ密集度上位20を見てきました。両年度を比較とすると、大きく次の4つの点が言えるでしょう。1つは、ここ20年の変遷を見ても、エリア別にみればあまり変わりがないということ。

特に2010年の上位10エリアのほとんどが、1990年の上位10エリアと順位が入れ替わっただけで、新興スタートアップ都市が入り込んでいません。もっと言えば、2010年度の11-13位、18-19位の5つのスタートアップ都市・エリア以外の15エリアのその全てが1990年から変わっていません。

2つ目に言えることは、テキサスのスタートアップ勢力鈍化。1990年の情報を見れば分かる通り、テキサス州の各3つのエリアは上位10位には全て入っていました。

しかしながら、2010年度にはヒューストン地域が消え、他2つのエリアも10位以下にランクダウン。ちなみにテキサス州の仕事数は90年代からもずっと増加しています。そのためテキサス州の雇用の源泉はスタートアップが生み出す雇用ではないということが言えるかもしれません。

3つ目は太平洋岸北西部の発展。1990年には12位であったシアトル地域は、2010年には5位に浮上。そして新たにポートランドエリアが2010年に11位に食い込んできています。Forbesが選ぶ「2014年に起業するなら選ぶべき都市ベスト12」にも、シアトル及びポートランド両都市は4位と5位に選出されており、その注目の高さが伺えます。

最後は、アメリカ中西部にあるカンサスシティの隆盛。カンザスはアメリカ人からしたら田舎の代名詞。それに1990年の地図を見ると中西部からはほとんど選ばれていません。

しかしながら2010年度の上位20位にカンザスが名を連ねたのには2つ理由があると言えると考えられます。1つはGoogle Fiber。Googleは中小企業向けにカンザスシティの限られたエリアで超高速ブロードバンドサービスであるGoogle Fiberを提供しています。

アメリカ国内でもたった3都市でしか提供されていないサービスのため、このテクノロジーがスタートアップ促進に貢献していることが1つ目の理由として考えられるでしょう。

2つ目はSprintのアクセレータ。携帯事業企業であるSprintはカンザスシティに拠点を持ち、著名アクセレータであるTechStarsと共にアクセレートプログラムを運営しています。このようなスタートアップを後押しする環境が徐々に整っている点が、中西部スタートアップの隆盛の要因であると考えられます。

KAUFFMAN FOUNDATIONのレポートには、より詳細なデータ・考察が載っているため、ご興味があれば合わせて読んでみることをお勧めします。アメリカスタートアップの歴史に関して、数多くの知見を得られるでしょう。

Via Entrepreneur