スマホ向けEC販促プラットフォーム「Flipdesk」が第三者割当増資、元ミクシィ朝倉氏を戦略顧問に

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Socket代表取締役の安藤祐輔氏

スマートフォン向けのEC販促サービス「Flipdesk」を運営するSocketは1月20日、B Dash Venturesを割当先とする第三者割当増資の実施を発表した。シードラウンドで調達金額は非公開。また、これと同時に元ミクシィ代表取締役の朝倉祐介氏を戦略顧問に招聘したことも合わせて公開している。調達した資金は今後、同社の人材確保およびサービスプロモーションに使われる予定。

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Flipdeskはサイトに埋め込んだタグにより、訪問者の行動を解析、来店状況に応じてダイレクトメッセージやクーポンなどを自動的に配信してくれるサービス。2014年9月に正式公開されて以降、東急ハンズやTabioなどをはじめ、100社以上に導入が進んでいる。

またECサイトの他にも人材情報など他分野の利用も実例があるという。料金はプランに応じて初期費用5万円から30万円(※現在はキャンペーン中で無料期間中だそう)が必要で、タグが埋め込まれたページのPVに応じた従量課金となっている。また、Intimate Mergerと連携した第三者オーディエンスデータの利用オプションも用意されている。

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運営するSocketの創業はサービス開始を遡ること2年、2012年12月のこと。代表取締役の安藤祐輔氏は学生起業経験のある異色の人物だ。

「高校卒業して消防士になったんです。でもやっぱり自分で稼いだ方がいいかなと思ってまず大学に入ることを考えました。その後、4年生の時に知り合った会社の社長さんから元気いいから会社やりなよって言われて」(安藤氏)。

安藤氏は人材系事業を学生起業で経験し、事業売却などを経て、ケンコーコムや中国EC事業の支援事業に携わるセールス・インチャイナで、コマースの経験を積むことになる。折しも世の中はリーマンショック、そして震災と決して予断を許さないタイミングだった。当然クライアントとなる企業側も予算が厳しい時期であり、安藤氏はそういう状況を乗り越えてきた起業家とも言える。

そして2012年、「グローバルECで集客ではない、本当に店舗が喜ぶサービスを作ろう」と現在のSocketを4人で創業した。

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Flipdeskの考え方は同じくEC販促を可視化しようというブレイドのKARTEが提唱する「ウェブ接客」に近いものだ。「数打てば当たる」方式の集客では、クリックが落ちればインプレッションを稼げばいい、という集客重視の非効率が横行する現場もあったかと思う。しかし、FlipdeskやKARTEは、インプレッションを単なる数値ではなく「1人のお客」として丁寧に扱うところに違いがある。

ただ、ウェブ接客にしろEC販促にしろ言葉はどうあれ、彼らの提供するのは広告テクノロジーに近い。一般のEC事業者で専門のアドテクツール類を使いこなせる人はそこまで多くないだろう。Flipdeskもその点は留意していて、安藤氏の話では数時間のレクチャーで設定と運用が可能になっているということだった。この辺りの使い勝手は、このサービスがどこまで拡大するかに直結するポイントなだけに注目すべきだろう。

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