スペースシェアの軒先がサービスを全面リニューアル−「軒先ビジネス」と名称を変え、個人や企業のスペース利用ビジネス支援に注力する

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スペースs軒先ビジネスと名前を変え

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2014年は、あきっぱやスペースマーケットなど、駐車場や空きスペースのシェアリングサービスが登場し、「シェアリングエコノミー」の注目が大きくなった年だった。

そうしたなか、2009年から遊休スペースオーナーと利用者をマッチングする「軒先.com」や、2012年には空き駐車場をマッチングさせる「軒先パーキング」を開始するなど、スペースシェアの先駆けとして事業を展開していた軒先が、「軒先.com」を「軒先ビジネス」と名称を変え、空きスペースを使って販売や販促などを行う個人事業主や中小規模の事業者、大手法人などを対象とするビジネスユーザーにフォーカスしたサービスへと全面的なリニューアルを行った。

事業として、スペース利用者の集客や販売支援に注力するを行う。例えば、サービス内にはスペース利用オーナーのプロフィールページやブログ機能を追加。取り扱い商品やこれまでの出店事例、商材のPRなどを掲載し、情報発信のプラットフォームとして機能させる。他にも、積極的に他社サービスと連携していくことで、軒先ビジネスの利用者会員向けの特典を充実させていく。もちろん、これまでと同じく空きスペースを保有しているオーナーは募集する。

今回のリニューアルをもとに、従来のスペースマッチングだけではなく、出店者支援サービスのプラットフォームとしてコンセプトもシフトさせ、個人でビジネスを営む人や中小規模の商店に対するサポート事業を展開していくという。

2009年から活動してきた軒先についてや、今回の大幅なリニューアルについて、軒先代表取締役の西浦明子氏にインタビューを行った。(太字は筆者)

軒先は、2009年からスペースマッチング事業を行うなど、日本におけるシェアリングエコノミーの先駆けとして活動してきたと思いますが、軒先.comをリリースしてからこれまで、どういった展開をされてきましたか?

日本において、次第にシェアの感覚が広まってきたことを実感します。スペースオーナーからしても、遊休スペースを活用して収益を上げたいと考える人も多くなりました。途中、軒先パーキングをリリースしたりと社内のリソースも分散はしていましたが、事業自体は堅調に伸びてきました。特に、阪神電鉄や京王電鉄などの電鉄会社、ココカラファインやマツモトキヨシなどの大手ドラッグチェーン店といった、大手法人からのスペース登録の引き合いが増えてきて、現在では登録スペースは2500を超えています。

ユーザ数や利用状況はどうですか?

ユーザは、移動販売事業者や物販を営む個人事業主、スモールビジネスの方が主でしたが、こちらも大手法人からの利用が増えてきました。オイシックスや生協、シーボン化粧品などに利用されていて、主に販促での利用が多くなってきました。現在ユーザ数でいえば約4000社ほどに利用していただいており、リピート率は約80%と高いリピート率です。同じ場所を毎週○曜日と決めて使う方もいれば、色々な場所をキャラバン方式で利用する方など、利用状況はさまざまです。

昨年は、あきっぱやスペースマーケットなどが登場し、メディアの注目を集めました。分野的には競合と言えるサービスがでてきたことで、正直な話として軒先としてどうお考えでしたか?

これまで、軒先以外にプレイヤーがいない状況でしたので、シェアサービス自体への認知が高まってきたことは素直に嬉しいです。一方で、UberやAirbnbの成功があってこそ、シェアエコノミーに対する盛り上がりであるとも思っています。弊社では、創業当時から「もったいないスぺースをシェアする」というキャッチフレーズでサービスを行ってきましたが、サービスを始めた2009年当時は「シェアリングエコノミー」という言葉はもちろん、シェアサービス自体の認知は低い状況でした。

色々なピッチコンテストに出ても「そんな面倒で儲からなそうなサービスなんでやるの?」「不特定の人に不動産を貸すなんて」「スケールしなさそう」等々色々言われておりましたが、ここにきてUberやAirbnbの成功事例を目の当たりにして、やっと日本のシェアサービスを評価・評論する人たちのがトーンが変わってきたのではないでしょうか。こうした先行事例がないと、シェアサービスが伸びるのか否か、期待すべきなのか否かを判断することが難しかったのでは、と。

現状、日本ではまだ「シェアリングエコノミー」はバズワードの域を超えていないと思いますが、不動産以外の領域でも様々な
シェアサービスが出てきた2015年は、まさにシェアリングエコノミー元年になるのではと考えています。

今回のリニューアルで軒先ビジネスと名を変え、販売や販促を行う個人事業や法人にフォーカスするとのことですが、その理由はどういったものでしょうか?

5年以上事業をやってきて実感しているのは、ユーザからの要望と課題が明確にわかってきたことです。これまでは「場所の紹介」を軸とした活動がメインでしたが、ユーザのニーズから空きスペースを活用してビジネスを作ってもらい、それらをサポートすることがサービスの軸になれると強く意識しました。実際に、販売や販促でよく売れるスペースがあるからこそ、ユーザからもリピートしていただける。ではその場所を活用してもっと商売繁盛させるために私たちができることはなにかを、ユーザからの声を通して様々なメニューに反映することにしました。

また、ユーザ属性もかなり特定されてきました。ユーザの約80%がいわゆるビジネスユーザで、ケータリングカーでランチやクレープなどを販売するような移動販売事業者や各種物販催事、販促を行う個人、法人がほとんどです。

当初は「空きスペースを色々な目的で使えます」と総花的に展開してきた軒先を、こうしたビジネスユーザ向けに「1日からだれでも簡単にお店が開けるスペース」という切り口でポジショニングを確立させサービスをより深堀していこうと考えました。また、今後はいわゆる業者などのプロの方のみでなく、フリマアプリでものをよく売り買いするような一般ユーザー、Stores.jpやBASEなどでネットショップを開いているようなセミプロユーザ、趣味の作品をオークションなどで売っている主婦・学生など、もっとライトなユーザーや独立開業予備軍なども広く取り込んで市場を拡大していきたいと考えています。

軒先ビジネスユーザー層

サービス内で追加された機能で、スペース利用者の事例紹介や出店予定情報、集客や販売支援とあります。これらのサービスを追加された理由はなんでしょうか?

単に空きスペースを見せられても、そこで何をしたらいいのか?具体的にどんな風に使えるのかわかりずらい点がこれまでのサイトではありました。一方、自社の強みおして空きスペースだけではなく、そこでどんな人がどんなモノをどんな風に売ってどれくらい売れたかという情報も持っています。その情報をこれまで活かしてきてなかった、というのがこれまでの課題であり、大きな損失だと気づきました。そこで、具体的なスペースの利用事例を積極的に発信していくことで、その事業をされている方のPRにもつながり、かつ、スペース活用のノウハウを発信する手段となり、自社の強みを活かせるのでは、と考えました。

これまで、さまざまな商売をされている人と接してきた軒先だからこそ、今後は、スペース自体そのものよりも、そこで事業をされている人にフォーカスしたコンテンツも発信することで、スモールビジネス支援ということができるのではと考えています。

ユーザ自身もサイト内にプロフィールページを持つようになり、今後はどのスペースで出店予定があるかという情報を発信していいくことができ、事業そのものの広報としても使うことができます。将来的には、これらの「出店情報」を使ったメディアを立ち上げる予定です。また、自社で支援できない分野に関しては、外部の提携企業と連携して保険・経理・決済・レンタル品等々、ユーザーの事業支援を行います。さらに、これから独立開業をしようと思っている方向けのコンサルティング的な事業も立ち上げる予定です。

昨今、ウェブ上では誰でも簡単にお店を開けるようになりましたが、いざリアルでとなるとまったく昔と変わっていない状況がそこにはあります。だからこそ、もっと気軽にお店を開けるインフラとして使ってもらえたらと考えています。

最後に、今後の目標などお聞かせください。

最近では、海外でもAppearhere.comStorefront.comといった軒先の海外版とも言えるようなものがでてきました。欧米でも、ポップアップショップスペースが人気です。日本でもこうしたポップアップショップのニーズは出てくると思います。今後はこうした独特なショップスペースの領域にも広げていきつつ、スペースシェアの領域で事業を展開していきながら、軒先ブランドをつくって行ければと考えています。

ありがとうございました。

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