企業向けクラウド「Box」ついに上場、その苦難の道のり

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Box の共同創業者兼CEO Aaron Lavie

<ピックアップ>REDEMPTION! This 29-Year-Old Is Worth Over $94 Million After (Finally) Taking His Company Public (BOX) 

エンタープライズ向けのクラウドソリューション「Box」ですが、1月23日(日本時間で24日)ついにニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たしました。IPO価格は14ドルでしたが、最終的に約70%アップの24ドル近くで初日を終えたそうです。時価総額はこの時点で27億ドル。事前に15億ドルなどの控えめな予測が出てましたが、そういった声を大きく吹き飛ばした形です。ハイテク株強い。

Boxのこれまでを知ってる方であれば「あれ?IPOってもう去年のことでは」と思われるかもしれません。確かに申請自体の噂が出ていたのは昨年の3月ごろ。「来月こそIPO」という掛け声と記事が何度か出ておりましたが、その度ごとに徐々に具合の悪い方向に進み、このままどこかにM&Aされるんじゃないかと思った時期もありました。ちなみに日本からは伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(通称ITV)が投資ラウンドに参加しております。

<参考記事> CEOは29歳、エンタープライズ向けクラウドストレージのBoxが2億5000万ドルを求めて来月にもIPOヘ(2014年3月時点)

特にIPOが遅れた原因として指摘されていたのが、当時のハイテク銘柄の市場落ち込みと、Boxのアグレッシブなバーンレートでした。昨年当時で40億ドル調達した資金を30億ドルまで溶かしており、年間売上は1億2420万ドルで赤字が1億6900万ドル。昨対比の年間売上は110%成長という状況ですから、すべてにおいて若々しさが溢れている印象です。

結果的に7月には新たな資金調達を実施、ちょうどその頃発表されたGoogleの「容量無制限クラウド」による衝撃的な焼け野原作戦も記憶に新しいです。

<参考記事> クラウドストレージのBox、IPOを直前に1億5000万ドルの資金調達を実施

しかし、Boxがすごかったのはここから短期間で巻き返しをやったことです。特に問題だった収益面でバーンレートを抑えることに成功したようで、こちらの6枚のスライドでその成果を報告、めでたく今回のIPOへと繋げることができたようです。いやはや、必ずやり遂げるのだという強い執念が感じられるからこそ、市場も好反応だったのではないでしょうか。

via Business Insider

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