集まる職種は100種類以上、「仕事旅行」を使って“職場”に旅しよう

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Shigoto-Ryoko

観光地に旅行に行くように「職場」という旅先に連れていってくれるのが、職業体験を提供する「仕事旅行」です。「子どもの頃から憧れだった」、「自分の知らない世界を見てみたい」、「本気でその道を志したい」といった様々な思いに答えています。仕事旅行の代表の田中翼さんにお話を伺いました。

100種類以上の職種を体験

人気を集める職場体験
コーチング、バイヤーなど人気の旅行先

2011年1月にサービスを開始した仕事旅行には、現在、日本全国から100種類以上の職種が掲載されています。サイト上で最も閲覧されている職種は、家具職人や花屋さん。他にも、神主やカフェオーナー、またブランディングディレクターやバイヤーなど様々な職業体験に毎月300件ほどの申し込みがあります。1名で実施するものもあれば定員10名のものもあり、旅行価格は平均1万円前後です。

仕事旅行に参加する人たちのモチベーションは様々。単純にアクティビティとして面白そうと感じて参加する人、自分探しをしていてヒントを求めて参加する人、また、真剣にその道に進むことを考えていて直接その職種に就く人に相談したい人。

「自分探しをしている人には、違う職種に10回以上リピートするような方もいます。また、仕事旅行に参加した次の日に会社を辞めて転職した人もいます。隣の芝生が青く見えていた人が、他の仕事を体験することで今の会社や仕事の良さに気づかされるようなこともあるようです。そんな色んなきっかけになればいいなと思っています」

みんなにも体験してほしい「カルチャーショック」

仕事旅行社の代表 田中翼さん
仕事旅行社の代表 田中翼さん

仕事旅行に掲載される職種には、大手企業などより個人事業主やスモールビジネス、また職人さんなどが多いのが特徴です。というのも、そもそも田中さんが仕事旅行を立ち上げたのは、ご自身がサラリーマン時代に他の仕事を見てみたいと思ったことがきっかけだから。

自分は金融しか知らないけれど、世の中には色んな働き方があるはず。そんな風に思っていた矢先、異業種交流会で知り合った「Sow Experiene」のオフィスに遊びに行きました。すると、ドアを開けて出て来た男性は短パンにTシャツ、オフィスの中にはマウンテンバイクが置いてあり、部屋にはJ-Waveが流れている。何から何までが、田中さんの「職場」のイメージを覆すものでした。

「海外に初めて行った時にカルチャーショックを受けたのと同じくらいのインパクトがありました。その感動がもとになって、職場や職種を実際に体験することで旅行として成り立んじゃないかと考えたんです」

企業による研修や福利厚生としての導入も

主に個人のユーザーに利用されてきた仕事旅行ですが、最近では、企業に研修や福利厚生の一部として活用してもらうケースが増えています。定められた期間内に、社員は好きな旅先を選んで職場体験をし、バラバラの職場に行ったメンバーが集まって体験から学んだことを共有し合う。既に、NECマネージメントパートナーズ、新都市ライフ、大手広告代理店などが導入しています。

職場体験の提供は、旅行者の受け入れ先であるホストにとって、採用やコアファンの獲得といった効果があると言います。これまでは、仕事旅行社が職場体験の企画から写真撮影を全て行ってきましたが、今月から投稿型にリニューアル。ホストが自ら職場登録できるようにし、審査の面接にもSkypeなどを使うことで、より広く全国から職種を集めていきます。

大きな会社で仕事をしていると、そもそも隣のチームですらどんな仕事をしているのかわからないことも。代表の田中さんご自身が、全く別のオフィスを訪問することで仕事旅行社を立ち上げたように、外に出てまったく違う仕事に触れることで得られるインスピレーションがきっとあるはず。そんな風に人の仕事やキャリアにインパクトを与えられる仕事旅行の今後の成長に期待です。

 

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